工作ベース300

入門編
(始めにご覧下さい)
00   01   02   03   04
(一部説明が重複します)

導入編
01) 【アルミ板の切断機として使用する】 取扱説明書に記載。
02) 【アルミ板の切断機として使用する】 取扱説明書に記載。
03) 【簡易折曲機として使い、ケガキ台を製作する】 切断と簡単な折り曲げ(長さは300ミリ)
04) 【ハンダ作業台を作る】 台の応用。
05) 【打撃式簡易折曲機として使う】 金槌とヘラのような物で簡単折り曲げ。
06) 【打撃切断】 今までは万力でやっていたような切断法。
07) 【ベロとベロ溝加工 ブリキのギャボックスのような作り。
「工作ベース300の下があいている理由」(わけ)

応用編
08) 【位置自在打ち抜き】 板のどこでも打ち抜き可能。
09) 【手回しドリル】 木やアクリルその他の簡易ドリルです。
10) 【長物直角切断治具】 木工の小工作用です。
11) 【さん孔機モード】  手作りとしては究極のパンチャーかも?。
12) 【手回しタッピング作業】 回転ハンドル付きタップ立て。
13) 【手回しダイス作業】 案内付きダイスハンドル。
14) 【発泡スチロールカッター】 よくある形。
15) 【超簡単コイルスプリング製造】 これ以上簡単にならないバネ作り。
16) 【発泡スチロールスライスカッター】 薄皮剥がしと平板作り。
17) 【手回し回転系工作色々 先に【相対チャックアタッチメント】が必要です
18) 【工作ベース300グラインダーモード】 グラインダーみたいな使い方?と言うことで。
18)+【工作ベース300電動丸鋸モード】 何でもかんでも切ってやる。
19) 【工作ベース300ボール盤モード】 ボール盤と言えるかどうか、横型です。
20) 【工作ベース300旋盤モード】その1 その2 その3 マブチモーターの軸プーリー作り、とか。
21) 【工作ベース300折曲機モード】 製品版は後日です。
22) 【コーナーとか小さいところの切断アタッチメント】


応用編
T 【工作ベース300を使った抵抗アーク溶接】  家庭用抵抗アーク溶接機の有効利用。
U 【工作ベース300を使ったテーパー切削】  精密なチャック付き心棒を作ります(仮設XYテーブルも)
V【円形ならい切削盤】 ラダーチェーンスプロケットやカムの複製製造。
W
X




 工作ベース300とは?。
 今日は、工作ベース300とは私が「昔からあるオモチャのギァボックスのような構造をホビー的に作れないかな」と考えて作り出した工具です。目的は果たしましたが使っている内に「色々な状況で」使えることが分かってきました。取扱説明書では基本的な使い方のみの内容ですが、ここでは発展形の使い方を順次UPします。
 
 左が300ミリのアルミ板を挟んだ状態、右が200ミリのアルミ板を挟んだ状態です。そうです。アルミ板の簡単切断が出来るのです。アルミ板の切断方法は色々ありますが、「両面からキズを付けて折りきる」方法が簡単に出来るのです。厚みは1ミリは勿論、2ミリぐらいまでなら可能です。
 これは「幅3ミリ」に切断した例です(厚さ1ミリのアルミ板)この工作ベース300ではこのような切断が可能です。



 この他、この工作ベース300は20種類の加工が(2005.12.2 現在)可能です。順次UPしていきますが、こちらにそれまでの経緯があります。

こちらです。



1) 【アルミ板の切断機として使用する】
 (挟み幅に余裕が有る場合)。

 工作ベース300にアルミ板を挟み、エッジにそって表裏とも3回ほどスジをつけます。 0.5ミリのアルミ板ならそれだけで切れてしまいます。 1.0ミリですと3回ほど前後に揺するだけです。 2.0ミリあるいは少し硬い物はカッターナイフで少し強めに表裏とも8回ほど傷をつければ切断可能です。


02)  【アルミ板の切断機として使用する】
 (挟み幅に余裕があまり無い場合)。

 エッジの下側のボルト4本を適時使って挟み幅の調整をします。しっかり固定すれば2ミリ厚のアルミ板を3ミリ幅で切断する事が可能です。 (ここまでは取扱説明書に記載)


B
 【簡易折曲機として使い、ケガキ台を製作する


 厚さ1ミリで 200×300ミリの市販のアルミ板でケガキ台を作ります。メカトロ工作では直接板にケガいて(製図して)部品を作ることも有ると思います。この「ケガキ台」を作っておくと重宝します。

 1個所アルミ板の90度折り曲げがあります。長さ300ミリ曲げますが「工作ベース300」を簡易折り曲げ機として使います。【肉抜き法】で曲げますので「アクリルカッター」を購入してください。

 「肉抜き法」とは私が勝手につけた名前ですが、一般的に知られている方法です。今回の板を薄くする方法は特に優れていて穴を所々にあける方法より美しく曲がりますが、薄くする方法が問題です。鉄板ではフライス盤等でやりますが今回はアルミなのでアクリルカッターで無理矢理やってます。CNCマシンを使えば更にきれいに決まります。

 

 工作ベース300にアルミ板を挟みます。中間のボルトに載せると丁度14ミリほど挟む格好になります。アクリルカッター(写真)で「片面」だけ「深さ 0.1ミリ」ほどキズをつけます。キズをつけるというより「こそげ落とす」という感じです。要するに「板厚を薄くする」訳です。カッターナイフを使用してはいけません、折り切れてしまいます(曲げるときはこの部分が内側になるように曲げます)。
 
 角材をあてがい、「グイッ」とやりますがこの時「力」を折り曲げられる部分に集中して押します。ためらわずに一度に曲げるつもりでやります。この手の折り曲げはこの最初の瞬間が一番大事です(写真では角材がなかったので角パイプでやってます)。

 はじめの一押しに失敗するとたわんでしまいます、そうなるとあとは叩くしかありません、ま、一度は経験して下さい、どうしても失敗したくない時は「アクリルカッター」での溝をもう少し深く( 0.2ミリほど)すればOKです。

 

 幅300ミリほどになると1ミリのアルミといえど本格的な折り曲げ機でなければきれいに曲げられません、その点この「肉抜き法」でやればこのように中だるみもなく美しく曲げる事が可能です。
  
 折り曲げた部分を30センチの物差しと共に工作ベース300に挟みます。そして奥の方を木片等で支えれば「ケガキ台」の完成です。
 一緒に挟んだ物差しに定規の一端を押し当てながら使用すれば、正確な製図というかケガキ作業が出来ます。


C 【ハンダ作業台を作る】

 端切れアルミ板を使って「ハンダ作業台」を作ります。前に作った「ケガキ台」も併用すると使い勝手が向上します。「ハンダ付け作業台」は市販品が色々ありますが、この工作ベース300に取り付けて使うこの方式は、半田コテを強く押しつけても(私はよくやる)基板等が動かないので気に入っています。
 このぐらいの幅でしたら「肉抜き法」を使わなくても木片でグィッとやればかなり内側直角に曲がります。曲げ方は適当です。ご自分で使いやすいと思う形にすればよいわけです。
 基板等はクリップで挟んでいます。手前の穴は少し大きな電子部品(VRとか)を差し込んだりして使います(基板はキットの人体感知器)。
 私はハンダ作業台を4台持っていますが(ルーペ付きとか千手観音みたいな奴とか)最近はもっぱらこれです。前回作ったケガキ台も台の一部として使っています。ハンダが溶けないと無理矢理コテを押しつけたりしますが、この台を使うと基板が動かないので快適です(なにが快適なんだか?)




D 【打撃式簡易折曲機として使う】

 本格的な物はあとでやりますが、とりあえず「工作ベース300」本体のみで可能な打撃式折り曲げ法をやります。工作ベース300のエッジは直角に鋭いのでこのままでは使えません、アルミアングル等をあて板にする方法もありますが、ここではアルミの「コの字型」をした物をはめて使う方法をUPします。

 打撃式折り曲げ法は色々問題もありますが、なにより簡単で結構複雑な曲げも可能ですのでとりあえずのお勧めです。
 これはアルミ製のコの字型整形材です。工作ベース300のエッジは90度で鋭いので打撃折り曲げのV溝替わりに使うと、お互いかなりキズが付きます。そこでこれを緩衝剤としてはめます(日曜大工センターのアルミ材コーナーに必ずあります)はめるときちょっときついかもしれませんが一度たたき込めば少し広がります。
 
 エッジとエッジの間に一定の隙間があくように何か詰め物をします。写真では8ミリのアルミパイプを挟みました。この隙間は折り曲げる板の種類や厚さによって色々替えます。この8ミリというのは大体ですが厚さ1ミリのアルミ板に適していると私は考えます(打撃折り曲げの場合です)。
 なんか試し曲げをと探したら「厚さ 0.4ミリのトタン板」がありました。このぐらいの厚さのトタン板の場合、隙間は5ミリほどが良いんですが交換するのが面倒なのでこのままやります。
 
 案の定角が少し丸みをおびてしまいました。打撃に使ったのは「ガム剥がしのヘラ」です。このV溝の幅と材料の関係は面白いです。是非皆様色々と実践してみてください。


 打撃で曲げるにはいくつか欠陥がありますが、手軽で安価に出来るという長所で相殺されるでしょう。

  
 ちょっとした小物治具を作りましょう、これは文具品のおなじみクリップです。紙をしっかり挟むために写真中央のように特殊な形になってます。この部分を右の写真のように真っ直ぐにします。
 
 真っ直ぐにしたら赤矢印のように両端前後を外に開きます。適当です。開きましたらヤスリで合わせ部分が均一になるまでヤスリで削ります。
 アルミ板を挟んだとき、白矢印のように直線的に芯が通るように挟み安定するように修正します。完成。
   
 これを何に使うかと言いますとアルミ小片を工作ベース300に挟むとき「ケガキのガイドをする」、それだけです。なんとも馬鹿馬鹿しいんですが「あると無いでは大違い !! 」、ズッコケないでください。
  
金槌でひっぱたく折り曲げは適当にやって下さい。


一端が曲がりました。

  
 次は反対側の折り曲げ、実は正確に内幅25ミリのところで曲げたかったのです。なにに使うかはあとにしてとりあえず曲げます。25ミリピッタリにするためにスチールスケールを使いました。右の写真が曲げ終わった物です。右側の立ち上がりが長いです。この手の折り曲げの場合、先にピッタリの寸法に切り出してから曲げると私の場合必ず失敗します。その為少し余分にしました。

  
こんな具合に余分なところを切り取って完成です。当たり前ですが内幅25ミリピッタリです。

 完成、これを何に使うかと言いますと「ギャボックスの側壁」です。ギャボックスですからいくつ作っても常にピシッと寸法が出ていなければなりません、ま、慣れれば2分とかからないでしょう(このあとの加工は別です)

E 【打撃切断】

 アルミ板を切断する方法ははじめの方でやったカッターによる切断だけではなく「バンドソー」とか「電動糸鋸盤」とか楽な方法が色々あります。しかし鋸を使うとどうしても仕上げが必要になります。そこで鋸を使わないで「大工道具のノミ」とか「ガムをはがすヘラ」とか「スチールスケール」を使う方法です。スライドボリュームの溝とかセグメント表示器の角穴などもあけられます。

 
何十年も使いまくりの平タガネ。
 金属板の打撃切断なんていうと凄そうですが大した話しではありません。
 打撃切断の場合、大抵はタガネ(平タガネ)を使う・・・というのが普通ですが、実際にやってみるとなかなかきれいに切断するのは難しいです(特に長い距離は)。

 それはなぜかと考えました。どうやら打撃切断には2つのモードというか手段(あるいは両方混在)があるように思います。一つはタガネに代表されるように「打撃された刃物が板を切っていく」という状態と、「板自体が打撃され、別の物体(万力とか)によって切断される」という状況です(あるいは両方同時に)。

 刃物で切っていく時はその刃先の方向が問題です。万力に挟んだときはタガネの刃先があらぬ方向に行かぬようにある程度万力のアゴに押しつけるような角度で(タガネを)打撃しなければなりません、これは意識的になかなか難しいです。私なんか途中で曲がる事も(上に)しばしばです。

 でもって「こんな事をやってると、どんどん万力のアゴが傷む」と。

 そこで、打撃は板だけにして、切断は挟んだ物体に任せよう・・・というのが今日のテーマです。板を叩くだけですが、やっぱり「切っていただく物体に限りなく近い部分」を叩かないとダメっぽい、それと叩く方の物体が切ろうと待ちかまえている物体に「ぶつかってはマズイ」のです。うわーーー なんか長くなってしまった、それに言いたいことが表現出来たかしら?(なんか間違ってるような気もしてきたし)。

実際にやってみた。
 
 まず最初は6ミリ厚のフラットバーで叩きます。なかなかの切れ味、しかしよく見たら切っているうちに浮き上がってきました。感触としては全然分かりませんでした。

次が30センチのスチールスケール、なんか気持ちよく切れます。

 ついでに「ガム剥がしのヘラ」、ダメだこりゃ、あんまり鋭いので挟んでいる平鉄に食い込んでしまいました。
 最後が「大工道具のノミ」、これはなかなか、しかしものすごく罰当たりな気が。
 @が平鉄、Aがスチールスケール、Bがヘラ(食い込んでいる)、Cがノミで切断した所です。ノミが1番 スケールが2番 平鉄とヘラは使い物になりませんでした、大工道具のノミは罰が当たりそうですし、万が一刃が欠けたら非常に危険なので1番の使い心地は「スチールスケール」と決定しました(しかしこれも小罰が当たりそうな気がする)。
 これは次にやる【ベロとベロ溝加工】の前実験です。この他にも色々なやり方がありますが、身近な物でやるためにこの4つで試してみました(工作ベース300の一部を削ってしまった、マズイ)





F 【ベロとベロ溝加工】


 ブリキ製のオモチャの中のギャボックスのような爪を使った組み立てが出来る(ベロとベロ溝と表現)ような構造の板加工をやります。はじめは工作が簡単な1ミリ厚のアルミ板です。

 その前に、昨日工作ベース300のエッジを傷つけてしまいましたので、反省して手当をします。
 
アルミ缶を開いてカバーにしました。

  
 前に作ったケガキ台を使って作図します。アルミ板にマスキングテープを貼って鉛筆で書いてます。真ん中の写真は直角を出してクリップ(このあいだの)で挟んだところです。
 
工作ベース300にしっかり固定します。

  
 適当なノコで切っていきます。スチールスケールに罰当たりな溝をサンダーで切っていますが結構便利です。それから大工工具のノミも使っていますが、アルミ缶の上なので問題無いです。
 
ヤスリで仕上げてベロ部完了。

  
ついでに折り曲げ、今回は板でグイっとやりました。

 本来ならこーなる前にギャの穴とかあけとくんですが、今回は製作工程見本なのでやってません、次は問題の「ベロ穴」です。色々考えたんですが、「マイナスドライバー」でやろうと思います。実は「タガネ状」の物とか色々作ったのですが「行方不明になってしまう」、その点ドライバーなら結構自己主張してくれそうなので。






ベロ溝(爪溝)。

  

 溝を掘ります。工作ベース300の隙間を1ミリに固定し、加工物の穴あけ予定位置も隙間に合わせます。とっても簡単なんですが今日ちょっと時間がないので詳しくは後日に(写真で分かると思いますが)。

 
今日の犠牲者、マイナスドライバー、適当に整形。

  
印しに合わせて叩き抜くだけ、簡単です。ヤスリで仕上げています。

 組み合わせてみました(片方だけ)ベロ(爪)は曲げていません、しかし一発で入るとは珍しい。


 最後の【ベロとベロ溝加工】・・・ちょっと尻切れトンボのようになってしまいましたが、実はもっと簡単な方法を思いついてしまったのでここまでとします。G 【押し下げ式ショート切断機モード】 G【位置自在打ち抜き】(名称変更)という物です。これさえあればベロとベロ溝は勿論長穴や角穴が簡単に出来るっポイです。治具自体も簡単です。



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