林メカトロ工作支援室
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【M 発泡スチロールカッター】

      
 工作ベース300を使った14番目の工作工具です。工作ベース300を土台(ベース)に使います。

 発泡スチロールカッターなんて、ニクロム線を使ってちょこっと加工すれば簡単に出来るのですが、「工作ベース300」を使うと見た目もカッコイイ物が出来ます。この手の装置は使うときは必要(当たり前)ですが、使わないときは邪魔でしょうがありません、(ほとんど使わないし)そこで「分解」出来るようにし、使わないときは小さく分解・収納出来るような構造にします。それには工作ベース300を土台に使えばピッタシです。

 今回のは熱線立て型のスチロールカッターですので支柱が必要です。そこで「羽子板ボルト」(11番 さん孔機モードで使った奴)の下の方に(矢印)新たに切り込みを入れます。(高さを稼ぐため)

工作ベース300に取り付けたところ。

 
 天盤を作ります。適当なベニヤ板があったので(300*400)適当に仕上げました。木工ボンドを塗り、去年のカレンダーの白いところを表にして張り付けました。ここで失敗、ボンド塗りすぎ+紙の方に塗るべきだった、シワシワになってしまった+汚してしまった、ベニヤが汚かったので紙を貼ろうとしたのですが、こんな事になるならヤスリでもかければ良かったかも。
 
 皿ビスがない、買いに行くにも車がない、仕方がないので六角ボルトの頭をサンダーで削って皿ビス状に。
 天盤に2個所取り付けます。(ぶれてしまった)

このボルトを挟み込めば取り付け完了です。(左は支柱です)
工作ベース300の左側に支柱、右に天盤を挟んで固定する訳です。

 
 下側の電極、真鍮釘にワニ口クリップを取り付けるという簡単な方法です。「やっつけ仕事」が見え見え、糊ははみ出ているわベニヤはササクレてるわです。(右の写真はセットして下から撮ってます)


 やっつけ仕事
 やっつけ仕事とは、職人が早く仕事を終えて飲み屋で一杯やりたいときに大幅に手を抜いて仕事を終わらせるやり方を言います。「 はぃぇーとこヤッツケて いっぺぇやっぺガー ねす 」と使います。
(はぃぇー・・・は、言葉で表せない発声だと気が付きました)


 電気コンロの 100Wぐらいのニクロム線でも買ってきて使う分ほどこうかな、なんて思ってホームセンターの電材コーナーを見に行って驚きました。「売ってる」 0.26ミリのニクロム線です。こりゃ乾電池でも出来るっポイです。

 しかしこの太さはちょっと細すぎです。子供の工作には良いですがバリバリやるには 0.4ミリぐらいないと物足りないです。もっとも熱量が増えると溶ける範囲も広がって良し悪しですが。



 訂正(後日談)
 実際にやってみたらこの 0.26ミリのニクロム線で十分な事がわかりました。昔・不織布の溶断接着機械を作っていたことがあって先入観がありました。考えてみたら発泡スチロールってほとんど空気でしたね。




 東京秋葉原に「坂口電熱」(山の手線から看板が見える)という店があって、ニクロム線関係のデパートです。それこそ熱関係なんでもあります。直径4ミリなんて極太のニクロム線なんて昔見たことあります。私が買った一番太いのは2ミリでした、何十アンペア流したか忘れましたがとにかく「スッゲー」。(40年ぐらい前ね)

支柱にアングルを取り付けてアームにしました。


アームにベニヤ板を取り付け、下の穴からの直角を出します。
 
 ニクロム線の上の支持部です。ニクロム線の延びを格好良く直線にしようと思ったのですが、とりあえず「円弧」です。マイクロスイッチを使ってチョッピリ制御します。(コイルスプリングの製造をまだやっていないので一時的な処置です)

輪ゴムでニクロム線を引っ張ります。


ニクロム線を張りました。

 安い発泡スチロールカッターは、ニクロム線の抵抗に合わせて電圧・電流を決めています。その為発泡スチロールのブロックが大きかったりすると、熱が奪われて切れ味が極端に落ちたりします。又、それを防ぐために電圧を上げたりすると、溶ける範囲が広がったりニクロム線が断線しやすくなります。

 そこで「発熱・・・伸びる  冷える・・・縮む」という性質を利用してマイクロスイッチで ON・OFFします。完全なON・OFFだとあまりにも極端なので、簡単ですがこのような回路にします。これは実績があります。昔作っていた奴は大型の電磁開閉器でON・OFFしましたが、今回のはマイクロスイッチでいきなりでも(交流使う予定だし)出来るように思います。(ま、ダメなら小型のリレーでも使えばよいし) 0.26ミリのニクロム線って20センチぐらいだとどの程度の電圧・電流が丁度良いのかまだわかりません、明日、スライダックトランスでも引っ張り出して調査します。(こんな細いのやったこと無いので、予想では 6V 1Aぐらい?)


 またまた訂正
 暗電流を流すような真似をしなくても全く問題ない事がわかりました。単純に「伸びたら切れる 縮んだら通電する」で十分です。



 スライダックトランス、スライダックスとも言います。(商品名?)交流 100Vを入力し、出力に 0Vー130Vを得ます。変圧器です。写真の物は昭和30年製で半世紀も前の奴です。今でもこの姿で売られています。(これってある意味スッゲー)今回使用するにあたり、分解清掃しました。何しろ40年ほど使っていないのでブレーカー落ちたら厄介だし。(化学に目覚めたとき買った奴で電気分解の電源用、挫折したけど)

 これの用途は各研究機関の実験用電源のようです。写真の物は 5Aですが、もっと大きな物は舞台の照明の調光に使われていました。今はサイリスタとかトライアックとかその他色々なICがありますので、このトランスはお払い箱のようです。(通販ショップで 100V・40AなんてものすごいICを使った調光器が 400円ぐらいで売られています。凄い世の中になったものです)(放熱器は別)
 
 早速ワニグチでつないでみました。 3Vぐらいから切れ始めました。 12Vにしても目視ではニクロム線が灼熱しているようには見えません、電圧をどんどん上げたい誘惑をぐっとこらえてマイクロスイッチを単純に通す結線にしました。12Vで大体1秒間隔でON・OFFします。どんどん電圧を上げてみましたが 30Vぐらいにしても間隔はたいしてかわりません、この辺はニクロム線の特性ですかね。(昨日の回路にする必要無いみたい、この辺はモーターのような負荷とは違いますね)
 発泡スチロールカッターで、正確な作業はなかなか難しく感じました。移動速度と溶ける範囲の調整が手作業ではなかなか一定になりません、その内 XYテーブルでも使って自動運転実験をしてみようかなと思います。

 しかし自由自在に切れるのは面白い、電圧ですが 6Vで十分と思いました。電流はメーターが見あたらないので測っていませんが多分 1Aも流れていないと思います。

 スライドトランスですが、一次側と二次側のコイルが構造上つながっています。(普通のトランスのように別コイルではない)その為結線の仕方によっては感電する恐れがありますのでご注意下さい、結局電源トランスは 6V3Aぐらいの小さな物で十分な事がわかりました。



 実は工作ベース300はこのように工作機械の土台(ベース)として使うのが本来の使い方です。はじめは「アルミ板の切断やベロ・ベロ溝工作」用でしたが、それはとりあえずの目標でした、工作機械・工具はあればあるほど便利ですが、金はかかるし場所はとるし際限がありません、私はトランク一個に入るだけの道具で自分の好奇心を満たす事が出来る環境を作る事を目標にしています。現在14番目ですが、20番でこの工作ベース300は「万能折曲機」になります。その内 「トランスフォーーーム !! 」 なんて「キメッ」を叫ぶようになるかもです。30番ぐらいまでやる予定です。乞うご期待。 2006.1.16



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