林メカトロ工作支援室
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U【工作ベース300を使ったテーパー切削】 (13ミリまでくわえられるチャックをつけた精密な如意棒を作ります) ![]() |
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下が前に作った10ミリまでくわえられる如意棒です。電池ドライバードリルのアタッチメントである六角軸付きチャックを使っています。「とりあえずドリル作業が出きればいいや」という部品なので精度が今一です。上の方右側が旋盤作業で使われる精密なチャックです。1個
4.500円ぐらいします。残念ながら 6.5ミリまでです。 上の左は 13ミリまでくわえられるでっかいチャックです。昔・秋葉原のジャンクショップで 5.000円で買いました。今はこんなの売っている店はもうありませんね、新品だと2万円ぐらいでしょうか、このチャックより大きな物はもはや旋盤用しかないと思います。こいつに軸を付ける為「テーパー切削」をやります。 取り付け穴はテーパーになっています。このテーパーは JIS規格で決められています。「日本工業規格」という本に載っているのですが、私の持っているのは現在行方不明なので「テキトー」にやってみます。(テーパー切削に挑戦)太いところは 17ミリあります。 10ミリのシャフトに 20ミリの丸棒を溶接してから切削します。旋盤があれば簡単なんですがそこんとこは「ディスクサンダー」で根性でやってみます。(旋盤持っているならこんな作業やらなくて良いわけだし) |
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本当はシャフトそのものを太い物でやれば良いのですが、ベアリングもでかくなって大事(おおごと)になってしまいます。そこで「頭でっかち」になってしまいますが、10ミリのシャフトを太らせて取り付け部分だけを太くします。溶接するわけですが、この手の溶接は絶対といっても良いくらい狂います。そこで仕上げ寸法より太めの丸棒を溶接します。 この20ミリの丸棒は鉄工所からもらってきました。そういえば鉄の切断屋さんて少なくなりましたね、そのかわりインターネットで簡単に手に入るようになりました。まずはこの丸棒を 10ミリのシャフトに溶接します。これは昨日やってますので割愛します。 |
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![]() テーパーの一番太い所は大体 17ミリぐらいでした、奥の方はよく分かりません、 100分の5ぐらいの傾斜のようです。(調べる時間もったいないのでいい加減) ![]() |
写っていませんが左側に電気ドリルが付いていて逆回転させてます。「箱入りサンダー」で切削しています。実にいい加減な切削ですが、「荒仕上げ」ということで。(フリーハンドだし) |
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大体 17.5ミリほどに削り終わりました。さてここで困った、どうやって精密なテーパー状に切削出来るでしょうか、実はなんにも考えていなかったのです。大げさな装置は面倒くさいし削りすぎたらアウトだし。 | ||
【手動仮設XYテーブル】![]() 引き出し用のスライダーです。 |
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色々考えたんですが、丸棒のテーパー切削はフリーハンドではやれないことはないけど(昔やったことがある)時間がかかるし失敗の可能性もあります。そこで机の引き出しなんかに使われる「スライダー」(スライドベアリング)を使って「仮設XYテーブル」を作ってその上に箱入りサンダーをのっけて切削してみようと思います。 それに「仮設XYテーブル」も結構便利かもしれないし、自動化したら面白い加工機になるかもしれません、三次元加工機は大勢の方が手作りしておりますし、オリジナルマインド様でも発売していますが、私はそのような精密な物は作れないので「ディスクサンダー」を振り回す「ある意味恐ろしい奴」を作ってみます。(切削速度は抜群・多分) 引き出し用のスライダーを買ってきました。2本セットで 880円でした、3種類ありましたが、長さ 450ミリのを2セット買ってきました。 |
![]() 仮設ですから下は 12ミリのベニヤ板です。 300*450ミリに切り、端に取り付けます。(X軸) ![]() ![]() 延ばしたところと縮めたところを横から見ています。 ![]() ![]() |
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次にY軸です。 450ミリではちょっと長いので少し短くしました。ところでこのスライダーの取り付けはちょっとパズルの要素があります。組み立て順序を間違えて何回も取り外し取り付けをやってしまいました。 |
![]() ![]() スライド部分は完成です。ちょっと箱入りサンダーをのせてみました。 |
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送り装置です。6の1.0ミリ長ネジで送ります。1回転1ミリになります。白矢印部分はタップでネジが切ってあります。又ハンドルのところにはスラストベアリング(自作、簡単)がダブルで入っており、バックラッシは感じられません。 |
![]() 手動のX軸送り・Y軸送りも付いて完成。 ![]() |
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こんな感じで X軸方向 100ミリほど、Y軸方向 70ミリほどサンダーが手動で動きます。今回はテーパー切削が目的ですからこの寸法で十分すぎます。「仮設」と名うったのは材料にベニヤ板を使ったからです。ここまで3時間もかかってしまいました。1日の配分としては長すぎ、ヤバイ。 明日はいよいよ本切削です。旋盤使わずにテーパー切削出来るでしょうか?、どの程度「スジ」が付くでしょうか?、実は私も分からない。(旋盤修理するか新しく買ってきた方が早いんですけどね、でも電気ドリルとサンダーだけでやってるこのシリーズある意味面白い) |
切削中![]() ![]() |
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電気ドリルで加工軸を正回転させ、サンダー切削です。こういう切削のやり方は色々応用がききます。横移動があるので切断砥石で切削しています。仕上げに「チップソー」を使おうと思っていたのですが、結果オーライで摺り合わせ等もしなくてすんでしまいました。 |
![]() ![]() 旋盤仕上げのようにはいきませんが、このぐらい削れればOKでしょう。 ![]() |
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途中1回角度の調整(いい加減)を行いました。100対5ではなさそうです。(これはあとで調べてみなくては)試しにチャックを入れてみたら抜けなくなってしまいました。芯もバッチリでています。目的が目的ですからこれで終わりにします。なんだかあっけない。 |
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上が今回加工のテーパー結合、下が前に作った電池ドリルアタッチメントの六角軸付きチャックを使って作った奴です。これは丸穴に六角軸を叩き込んだせいか実測
0.1ミリほど変芯してしまいましたが今回のテーパーの奴はバッチリです。目で見た限りでは分からないです。ホビーとしては十分だと思います。 |
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今回のテーパー加工をするためだけに作った「手送り仮設XYテーブル」ですが、何かに使えそうなので分解せずにとっておく事にしました。 |
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