工作ベース300を使いこなす法

工作ベース300でメカトロ工作入門
 工作ベース300はあらゆる工作の基本部分の作業を助ける工具です。まずはメカトロ工作からご案内していきます。始めに本体の働きを助けるちょっとした治具(そんな大げさな物では有りませんが)を作ります。

 工作ベース300は、取り付けた台の上から56ミリのところに「エッジ」があります。このエッジと同じ高さの台を2個か3個作っておきます。写真は色々な例です(こんなにいっぱい作る必要はありません)左上から「木材を切ったもの」「ラップの芯を切った物」(カッターナイフや包丁で切ります)下左から「工作用紙を丸めて輪ゴムで止めた物」「段ボールを丸めてテープで止めた物」「段ボールの組み合わせ」等々です。どんな物でもかまいません。

 これらはエッジの上に板などを置くために使用します。お勧めは木材です。これからセンターポンチ作業などもやりますが、木材のブロックはあて台に最適です。ノコギリ作業が厄介ですが、この入門コースが進みますと「工作ベース300を使った角材切断モード」がありますので今は無くてもOKです。

 ご注意・・・カッターナイフには十分気を付けてください。


工作ベース300について。
 工作ベース300とは、幅の広い万力のような物です。メカトロ工作にかぎらずあらゆる工作に便利に使えます。机などにネジかクランプで固定すればそこが工作場になります。詳しくは左上の「工作ベース300の部屋」をご覧ください、自作も出来ます。こちら をご覧ください、市販品はこちら です(限定販売です) (現在在庫切れだそうで、入荷次第リンクします)



 工作ベース300は、机や工作台に固定して使いますが、後かたづけなどの関係でネジなどで固定出来ないときはクランプ等で動かないようにしっかり取り付けます。場所の関係がありますので固定具は適当に選択します。

  工作ベース300は工作の種類により使い方が違います。今回はアルミ板の加工です。アルミ板は日曜大工センターやホームセンターで購入出来ます。厚さはおおむね 0.5ミリ 1.0ミリ 2.0ミリの3種類です。 1.5ミリを置いているところもあります。大きさは 200*300ミリとそれ以上の物がありますが、使いやすさの点から 200*300ミリで話を続けます。


 左から「ハンドクリーム」「透明ラッカースプレー」「車のワックス」です。購入したばかりのアルミ板はPPフイルム(ポリプロピレン等)で包装されています。これを不用意に素手で破って板の表面に触ってしまうと手の油(指紋)が付いてしまいます。一度付いてしまうとなかなか取れません、そこで素手で触る前にこのような物を塗りたくります。ベビーパウダーや石鹸でも良いかもしれません。
   
必ず手袋をしたほうが良いと思います。写真はハンドクリームを塗りたくっているところです。



 ハンドクリームの場合、5分もすれば乾いた感じになります。マスキングテープやプリントアウトした紙を貼り付けて切断や穴あけをした場合でも簡単に剥がすことが出来ます。ついでに手先に塗っておけば工作汚れも落としやすくなります。加工終了後、水洗いして乾かせばペンキの乗りも抜群です。

 張り付ける紙の「張り付け力」の調整は、この塗りつける材質によって選べば良いわけです。私はもっぱらハンドクリームです(剥がれやすいので、剥がれやすすぎて注意は必要ですが)。
 アルミ板の加工は「ケガキ」から始まります。30センチの物差しや製図用の大きめの三角定規、千枚通し、カッターナイフ、マスキングテープなども用意します。





01 プリント基板の下板作り
アルミ板でなくても良いのですが流れなので。
 ではいよいよメカトロ工作初歩の初歩です。一番簡単なアルミ板工作です。電子工作キットなどは基板むき出しの物がほとんどです。又、ユニバーサル基板などを使って自作する事もあると思いますが、完成して動作確認をするとそのままジャンク箱に直行なんて事もあると思います。

 左から、小さめのユニバーサル基板、中がガラスエポキシ基板になにやら回路を組んだもの、右はボリュームが乗っかった発振回路みたいな物です。なぜか角が欠けてます。中と右のように作った当時は憶えていても月日がたつと忘れてしまい、本当のガラクタになってしまうこともあると思います。

 そこで、こういった実験回路を組んだ基板に裏蓋を付け、ついでに説明書きを張り付けようと言うわけです。基板と同じ大きさにアルミ板を切り、四隅に穴をあけてビスで止めるだけです。工作ベース300を使わなくても簡単に作れますが、使えばあっという間に美しく作れます(5分とかからない)。


工作ベース300の準備


まず「工作ベース300」をどこかに固定します。

       
 工作ベース300のエッジ部分に30センチの物差しを横にして挟みます。プラスチック製でもスチール製でも良いです。奥の方には前に作った56ミリの高さの台を適当に配置します。その後、適当な板をのせます。ここではまだ使わない2ミリのアルミ板(包装のまま)をのせてます。

 この30センチの物差しが「X軸」というかケガキ作業の「基準線」になります。目盛りは今回はスルーします。

 
 今回は1ミリのアルミ板を加工します。まず台に乗せ、30センチのスケールに一片をピッタリ押しつけます。三角定規をその上に乗せ、三角定規の一片も30センチのスケールに押しつけます。押しつけたままスライドさせ、別のスケールでケガキ幅を決めて千枚通しで(ケガキ針でも良い、鉛筆とかは不可)軽く線を引きます(目視で確認出来る程度)写真は45ミリのところです。

 1ミリの厚さのアルミ板を 45*72ミリの寸法に切り出そうとしています。この程度の加工でしたら板にいきなり定規を当てていきなり切っても良さそうに思うでしょうが、楽に美しく余計な手間をかけずに・・・となると、この手順が最適だと思います。なにより簡単に美しく切断出来ます。


 
切断したい線にピッタリ定規などをあてがい、エッジに挟んで固定します。その後定規は取り外します。
(真ん中辺にお助けクランプを使用しています)。
 
 カッターナイフで裏表にスジを付けます。1回目のスジはあまり力をかけないで付けます。最初から力を入れるとロクな事がありません、大体1ミリのアルミ板ですと3回+3回ぐらいで十分です(0.5ミリ厚だったら1+1回でOK)その後、前後に6回ほど揺すぶれば折り切れてしまいます。(金属疲労切断方式)


切断面は非常にきれいで仕上げの必要はありません。
(ハサミ・丸鋸・バンドソーなどとは比べ物になりません)

 
次に72ミリ(今回のプリント基板の寸法)のところにケガき、同じくエッジに挟みます。

 
やはり表裏にスジを付け、折り切ります。このぐらいの幅なら2+2回で十分です。

 
 45*72ミリに切り取れました。長々と説明しましたが5分とかからないと思います。なによりケガキ線を記入する時あまり緊張しなくて良いことと仕上がりがすばらしいです。

穴あけと取り付け工作

 


穴あけは工作ベース300と関係ないので適当に。
 蛇足
 センターポンチは購入時上のような先端になっています。私は下のように少し尖らせて(アルミ板の場合)使っています。理由は別のコーナーにあります。ところでどんなに精密にポンチングしてもそこに正確に穴があくとはかぎりません、それはキリサキの形状とドリリング時の固定方法が関係します。これを簡単に解決する方法もあります。絶対正確な位置に穴あけが必要になったときにUPします。




アルミ板のポンチ作業はこのように木材のコバが最適だと私は思います。
(理由は色々あります。ブラックホール理論です)


加工は終わりました。あとは回路を組んで組み立てるだけです。




なんてへたくそな字なんだ。 (2006.7.2 現在)
 私の場合ですが、電子回路を組んで1年もたちますと「完璧」忘れます。なんのために作ったのかさえ思い出せません、その為結構似たような回路を重複して作ってしまうという無駄な事を繰り返してきました。今回はメカトロ工作初歩の初歩ということで単純な裏板を作ったわけですが、このように紙に書いて貼っておけば一目瞭然です。

 今回の作業は「基本中の基本」、 某氏から新たな使い方のアイデアも寄せられ、工作ベース300の使い方は25を超えました。順次発表させて頂きます(工作ベース300の部屋でも解説していますが、更に洗練されたと自分では思っています)。

 直角について
 直角に板に線を引こうとする場合、まず普通は「サシガネ」(大工さんが使う奴)が思い浮かぶと思いますが、そこら辺で買ってきた物はあんまり信用出来ません、(使い方もあるけど)一番信用出来るのは「製図用の三角定規」です。次が A4とか B4とかの紙でしょうか、(使いづらいけど)金属加工では「スコヤ」を使いますがこいつなんて年中微調整してやらないといつの間にか狂ってます。

 今回の工作ベース300を使ったケガキモードは、昔、武藤の製図盤(今はパソコンで製図が主流?)と格闘していた頃を思い出します。最初はちょっと三角定規の扱いにとまどうかもしれませんが、なれればこんなに確実に直角の線を引く方法は無いと思います。ボール紙で折り箱を製図・・・なんてパソコンより早いかも。






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