超簡単コイルスプリング製造。

林メカトロ工作支援室【トップページへ】　　　　　工作ベース３００トップへ　　　　　　　　　　　　　応用編(後日・20065.1.19記)
【⑮　超簡単コイルスプリング製造】工作ベース３００がらみの工作ですが、ある程度までなら万力でも出来ます。
コイルスプリングですが、今では日曜大工センター等で「押バネ・引バネ」としてかなりの種類が売られています。ホビー的にはその中から選んで買ってくれば良い訳ですが以外と丁度良い物って無い場合が多いです。そこで自作です。材料は市販のピアノ線や楽器店で購入出来るスチール線がよろしいかと思います。市販のスプリングと比べると少し性能が落ちますが、ホビー的に問題ないレベルの物は作れます。　ホームセンター等で購入出来るピアノ線は 0.3ミリぐらいから 1.0ミリぐらいまでの５種類程度です。0.3ミリより細い物はエレキギターに使われるスチール線が最適です。ところで「手巻きでコイルスプリングを作る」なんて言うと凄いテクニックとか思われるでしょうがなんのことはない、「ただ丸棒に巻き付けるだけ」です。しかし多少ノウハウはあります。(ほんの少しね)やってみましたから興味のある方はみてやって下さい。(この方法が一番良い・・・という訳ではありません、結構投げやりなやり方の一例です)
作業中
巻いているところ、白矢印は一時休止用のストッパーです。適当な構造でこのハンドルを固定出来る仕掛けを作っておかないと後悔します。ここでは針金で単純に引っかけています。ピアノ線はその辺にあった物で滅茶苦茶錆びてます。
構造は簡単、とにかく丸棒を回転させる仕掛けを作ります。３ミリの丸棒を使った場合の例です。まずは支持架。　木片に３ミリの貫通穴をあけます。そして固定します。(万力でも可) ３ミリの真鍮丸棒をクランクに曲げます。ほかの径にすれば大きさの異なる物が出来ます。 (つまむところにスペーサーをつけてみました)
丸棒にピアノ線を巻き付けるだけ・・・といっても巻き始めを丸棒に固定しなければなりません、方法は山ほどありますがその中からかなり「投げやり」(手抜き)な方法と、少しましな方法をUPします。

左はビニールテープをグルグル巻いて止める、真ん中は布テープを適当に、(粘着力が強いから簡単に止められる)、右は輪ゴムとツマヨウジで止めた物、(やる気ナサ全開)こんな方法でもスプリングを１個しか作らないのであれば十分。

多少ましな方法、 0.5ミリのアルミ板でUの字ピースを作り、丸棒に固定します。このやり方の時は、金具(ピース)にピアノ線を一緒に固定するのではなく、ピアノ線の先端をUの字に曲げておいて、ビスの出っ張っている部分に引っかけるだけです。いくつも作る場合に多少効率が良くなります。
次に末端処理の一例です。

巻き終わって取り外すときにケガしないようご注意下さい、左写真・巻き始め部分は使えませんので切り取ります。中央写真のようにします。右写真・１列だけピンセットを突っ込みます。小さなマイナスドライバーでも良いです。(0.5ミリのピアノ線でやったところ、外径 4.6ミリほどになりました) 　巻き終わって取り外すときに、いっぺんにハンドルを離す(面白い、けど危ない)のではなく、回数を数えながら戻していくと、ねじり回数がわかります。押したり引いたりではなく、「回転系」の素子として使うときの参考になります。(ついでにトルクも測れる)

ピンセットを突っ込んだ隙間からコイルの中に尖った物(写真はケガキ針)を突っ込み、この棒をテコにしてラジオペンチで１列だけつまみ、９０度曲げます。右写真右側のようになります。

さて、最後の仕上げ、この９０度曲がった１列のワッカを中心線になるように横方向に９０度？曲げます。これは何回か練習が必要かもです。これで引きバネは完成です。これはノーマルな処理です。工作に合わせて自分流に仕上げれば良いわけです。　今回はなんの変哲もない引バネでしたが、押バネに改造とかタダの針金やアルミ線でコイルを作ったり(勿論バネにはならない)丸棒の太さを変えて・・・とか、なんか張り付けて蛇腹にし、「エネルギーチューブ」モドキなんてどうでしょう。　多少のノウハウをチョッピリ。　買ってきたピアノ線は大抵小さく輪になってます。輪のクセがありますのでそのまま丸棒に巻き付けると「なんというか」ウエーブがかかるというかクセが出る場合があります。ほどいて少し「しごいて」大体直線にし、それから巻いた方が良いかと思います。それから引きバネの場合ですが、「密着巻き」をする訳ですがほんの少し乗り上げない程度に重ねる感じで巻く必要があります。ま、やってみれば一発でわかる程度のノウハウでした。　この記事は工作ベース３００のコーナーに移してから、後日色々な使い方(バネとしては勿論その他の使い道)をUPする予定です。簡単なスプリングは万力に固定しただけで作れますが、工作ベース３００を使うと思いもかけない物が作れますのでお楽しみに。