林メカトロ工作支援室
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R 【工作ベース300ボール盤モード】
 ボール盤の定義ってなんでしょうか?、私が考えるに モーターで回す 速度が変えられる チャックに多用な径のキリサキをセット出来る チャックがある程度上下し、ハンドル・レバー等で穴あけの力が軽減される 天盤を直角に保てば直角に穴があく(と、思われている) 固定されている(単に重いだけ)・・・とまあこんなところでしょうか、もう一つ「垂直に穴あけ加工が出来る」と言うのが加わります。

 するってーと「水平に穴あけする」のはボール盤とは呼べないのでしょうか?、「横型ボール盤」と言っちゃいけませんか、この際良いことにしてくれませんか?、縦と横でやることは同じだし、ウン良いことにしよう、何てったって従来の縦型ボール盤は重いしトランクには入らないから。

 まずは「天盤を直角に保てば直角に穴があく(と、思われている)」ですが、これは「ドリルキリサキの軸方向に対して四方直角になっている台があれば良い」ことになります。これは以外と難しい調整が必要なんですが、回転体を平面切削すれば簡単に実現します。作ります。
 (ドリルスタンドというのがあって私も使っていますが「どうも今一気にくわない」んですよね、理由はリターンスプリングのせいです。どうにも微妙な指先加減が殺されてしまいます)
 
 12ミリ厚のベニヤ板を大体丸く切り抜き、真ん中に 9.8ミリの穴をあけて 10ミリの真鍮パイプを叩き込みます。絶対と言って良いほど四方直角には入りません、そこで如意棒にくわえ込み、電気ドリルを取り付けてブン回し、大工道具のノミで切削します。定規をあてがってピッタリに削れれば切削面は軸に対して四方直角になったことになります。(これはボール盤の天盤よりある意味正確かも)
 大体このような構成になります。左に今削った円台を取り付け、右に如意棒(チャック主軸)を取り付けて一番使いそうな 3.0ミリのキリサキを取り付けています。そして最後に電気ドリルを取り付けます。(チャックで止めただけでプランプランです)

 問題はこの電気ドリル付き如意棒をいかに力強く円台方向に送る装置を作るかです。前の実験で「最低でも 30Kg以上は必要」とわかっています。ピニオンラックギヤを使えば簡単なんですが重加工になってしまいます。リンク機構だと大体 6:1 にすれば良いのですが、手軽に作れる反面「ストローク」がかぎられてしまいます。(ドリルキリサキの長さの違いもある)ここはアイデアの出し所ですが面倒なのはやりたくない。

そこで目を付けたのがこれ、ダイスハンドルです。
 こんな具合でなんとかならないかナーなんて考えています。ウーーームまともな「スラストベアリング」が欲しいところです。今まで作ってきたような奴では命にかかわりそうな気がする。



 

25ミリのダイス用ハンドルです。チョッピリ加工します。
 
25ミリのホールソーでダイス固定部のツバを取り去ります。

 そして元々あいていた(ダイスを固定するネジ穴)穴の真下にも穴をあけ、タップを立ててボルトが入るようにします。見るからに「ハガネー」って感じの外観ですが、ほとんど軟鉄でした、さすがメーカーは処理がうまいナー。
 
 次に4分のボルトの横に貫通穴をあけ、リングの中に入れてボルトを締め、外れないようにします。これは丁度「ユニバーサルジョイント」のようです。あるいは最近流行の「直交軸」と言えるかもしれません。
 これは4分の「袋ナット」です。スラストベアリングとカラーが手元に無いので購入するまでの代わりの部品です。ネジ山もろとも袋ごと10ミリの貫通穴をあけ、横っ腹に穴をあけ、タップを立ててホーローセットをねじ込んでいます。何となく袋のふくらみが摩擦を軽減するような気がして使ってみました。これは如意棒(チャック付き主軸ね)に固定します。(淡々と作っているとお思いでしょうが、足下には失敗作がゴロゴロ転がっています。チキショーとかいいながら)
 ホーローセットを締め付けると主軸を傷つけて抜けなくなったりしますので、あらかじめ溝を掘っておきます。黄色矢印がそうです。ついでなので「手ハンドル用」の溝(赤矢印)も掘っておきました。

簡易送り装置一式揃いました。、ダイスハンドルも、もう別物のようです。
(長さ200ミリのアルミパイプを入れました)

  
 奥の4本からなるボルトの3個所の隙間に適時挟み込み、(つまり3段階に送り位置が変えられる、キリサキの長さに対応)手前のレバーで左右に送ります。入れ替えの時は右写真のようにレバーを立てればフリーになります。
 
テスト穴あけ、3ミリの平鉄ですが、スコスコあきます。
 実際にやってみてわかったのですが、キリサキの食い込みは一様ではなく、電気ドリルが負荷がかかるたびに「ビクンビクン」跳ね上がります。見ていて面白いのですがその内チャックがゆるんだらしく落っこちてしまいました。締め直して考えました。「これはやっぱり対策を考えねば」。

とりあえずフットスイッチです。あとで手元(レバーの所)に押しボタン式にしようと思います。

 使用感。
 ボール盤は縦に穴あけです。長年それに慣れてきたので始めは違和感があります。何回か使えば慣れると思いますが、それよりすばらしい事があります。チャックを戻す「リターンスプリング」がありませんので「レバー」にはキリサキの働きが直に伝わってきます。今までキリサキの先端の状態は「音・光・臭い・振動」等の間接的な事しかわかりませんでした、このやり方ですと手応えのような物があって「刃先の気持ちが分かる」ような気がします。(まあ私の独りよがりかもしれないけど)

 私の持っている卓上ボール盤のハンドルはチャックを10ミリ下げるのに 130ミリ程度(直線として大体)動かします。力はだいたい600グラムぐらい必要でした、穴をあけるにはこれだけの力にまずうち勝たねばなりません、(まあ大したことないけど)つまりキリサキに込める力はこれだけ「オフセット?」されてる?事になり、キリサキの径が細くなればこの600グラムの力はバカになりません、(キリサキの部分ですでに約 8Kgだもんね、穴があかないと細いキリでは曲がる訳だ、納得)昔プリント基板用に小型精密ボール盤とか言う奴買ったけど、(結構高かった)リターンスプリングが強すぎて感触がわからず 0.8ミリのキリサキなんかバキバキ折っていた、あの頃は「押し下げれば穴があく」と思っていたもんなぁ。





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