あくまでも「ご自分の工作室」がまだ無い方のために考案しましたが、使ってみると快適です。


ロボットのメカ部工作に是非ほしい手作り工作機械。
ツイン・ボール旋盤を作りませんか。bP4   戻る。  トップページに戻る。

今のところこんなの売っていません、自作しましょう。

第二形態 途中です。 2002.8.18 UP
第一形態 (このページ) 2002.8.16 (これでコタツの上でもボール盤作業可)

 タッピングマシン バリ取りグラインダー 丸棒やパイプの磨き装置 木材切断丸鋸 鉄鋼丸鋸 非鉄金属丸鋸 ボール盤(横型)
         「第一形態」だけでこれだけのトランスフォーム。 

 ロボットのメカ部の工作にはあらゆる工作道具・機械が必要です。ホビーの方々はその難問を「知恵と勇気とアイデア」でクリアしていると思いますが、難しい構造のものはやはり専門工場等に「外注」に出さざるをえません、でも出来あがった部品が思い通りの性能が出るとはかぎりません、金もかかるし時間もかかります。そこで出来るかぎりご自分で製造出来るような、「お助け工作機械」を考案してみましたのでUPいたします。
 通販している訳ではございません、皆様自作してください、今回の第一形態では費用1万円以下ですが、もし製品として売られていたら15万はすると思います。(もちろん性能とかはダンチでしょうけど)


 最終的には「電気ドリル」が2台、「ベビーサンダー」が1台しっかりした台の上に固定したような形になります。内1台(ドリル)は完全固定、残りはスライダーの上に乗っけて直線運動が出来るような構造になります。(旋盤で言うところのカンナ台代わりです)


 うまく説明出来ないので、早速作ります。メインは前回「テクノ情報コーナー」17でやりました「市販の電気ドリルを正逆転タイプに改造しよう」を使います。正逆転は操作のしやすいものにする必要があります。ドリル本体のスイッチとかレバー操作が必要なタイプは使い勝手が極端に悪くなりますので、出来るだけノーマルで安価なドリル改造をおすすめします。

 最終的にアタッチメントが色々つきますので、順番に(私の暇度?)「シリーズ」になります。

第一形態とは?。

このように「電気ドリル」が1台、横向きに台に取り付いた
状態を言います。ここから万能工作機械に変形して行きます。

まずは取り付け台からです。

ドリルの組み立てボルトの位置を写し取ります。
(薄いベニヤ板で型を取ります)



2ミリのアルミ板があったので利用しました。
先ほどのベニヤの型から穴の位置を写します。
上の棒状(真鍮パイプです)のものはカサ上げ用のスペーサーです。

 メーカーやドリルの種類によって全て寸法等違いますので、取り付け台の穴の位置やスペーサーの長さ等は「臨機応変」になります。この方法が使えない電気ドリルが最近増えてきました。特に「電池ドリル」は「バンド」などを利用しないと固定出来ない物があります。


 今回使用する電気ドリルは本体がプラスチックなので、真鍮製のパイプを直接あてがって締め付けると、めり込みそうです。そこで平ワッシャを入れる事にしましたが、段付き穴の内径は8.5ミリ、4ミリの平ワッシャーの外形はそれより大きいので入りません、3ミリの平ワッシャーの外形は8ミリでしたので、穴を4ミリに広げる事にしました。「穴あけヤットコ」を使えばこんな作業楽々です。(普通はちょっと出来ないと思う)


  
台が取り付きました。台からチャックの芯までは105ミリです。
これは市販卓上ボール盤の寸法と同じにしました。
このままですと大きな力がかかった時、全体がねじれますので、
最終的には、この空間をモルタルで埋めます。



(下の板は左上のみ写っています)
厚さ20ミリのベニヤ板(300*700ぐらい)に型を使って
取り付け穴をあけます。少し大きめの穴はドリル取り付けボルト・ナットの
逃がし穴です。



スイッチ類は簡単に手に入る屋内配線用の物にしてみました。
(単線のみで配線する場合はハンダ鏝はいりません)
必要な部品
4路スイッチ(すでにドリルに付いている)
3路スイッチ *1
押しボタンスイッチ *2
外付けシングルコンセント *1
取り付け台とカバーです。




走り書きでスミマセン。

 こんな簡単な回路でも配線間違いする可能性があります。一応回路図っぽい物を書いてから作業に入った方が間違いません、簡単に回路をご説明しますと、電源プラグから3路スイッチのC接点につなぎ、A接とB接に押しボタンスイッチをパラにいれ、コンセントとドリルに供給します。このコンセントはあとから作るもう一台のドリルと連動させるための物です。押しボタンスイッチは今回はまだ1個のみです。

 今回の電気的な動作ですが、ドリル本体の引き金スイッチはON状態でロックします。3路スイッチの状態により、連続回転と押しボタンスイッチを押しているときだけ回転する2つの動作が選べます。これに正逆転スイッチの動作が加わります。





こんな感じに取り付けてみました。下のコンセントは
もう一台のドリルの連動用です。今回は使いません。



ここまででの使い方。

布ヤスリで真鍮パイプを磨いています。

 チャックの先に付いている物は「キイレスチャック」(キーレスチャック)です。電池インパクトドリルのアタッチメントで2.500円ぐらいです。これはキリサキ等の着脱がチャックハンドルが無くても手で出来るので非常に便利です。



タップを取り付け、ねじを切ってます。
正逆転と押しボタンスイッチにより快適です。




多羽根ディスクを取り付けてアルミ板のバリを取ってます。
(この取り付け金具はホームセンター等で400円ぐらいで売ってます)
金ノコで切ったプリント基板の仕上げにも良いです。

 この多羽根ディスクをドリルチャックに取り付ける「取り付け金具」(シャフト)は、汎用型のためガタがあり、芯が出しにくいので専用のものを作った方が良いのですが旋盤作業になります。でも心配ありません、今作っているこの装置がもう少し進むと旋盤作業もどきが出来るようになりますので、まともな旋盤がなくてもどなたでも作れるようになります。もう少しお待ちください。

(旋盤作業もどき・・・ と表現したのは、本物がミクロン単位の仕上がりに対して精度が2桁ぐらい荒いからです。それでも0.1ミリ以下の精度ぐらい出ますのでほとんど問題ありません)

 オリジナルマインドさんの商品に「セットカラー」という部品があります。これを使っても簡単に作ることも出来ます。どの辺まで自作するかの問題です。又、「アルミダイキャスト製 方ボスVプーリー」のφ50の物からも作れます。

次の加工です。

チャックに適当な丸棒をセットして、台に心線を記入します。
ドリルチャックの平行線です。



その線に正確にあわせて「スライダー」(スライドベアリング)を取り付けます。
これは引き出しなどに使われるベアリングです。
購入先の例。
(株)日産商会 通販可
03-3255-1831(代)
東京都千代田区外神田 1-11-8
営業時間AM9:00-PM5:30土・日・祭休み


この手の工作にはどうしても必要な「センタードリル」です。



このスライダーの可動片に適当な木片をネジ止めします。
(この木片はボール盤で言うところの受け台になります)



リンク機構を構築します。右の棒(タルキ)を左に倒すと、
スライダーと木片がドリルチャック側に押しつけられます。



 
タル木のてっぺんに押しボタンスイッチが付きました。
この押しボタンは、定格AC300V 10A という物です。
(DCチャイム用はダメです)



ボルトをはずすとコンパクトになります。将来4隅に板とと天板を付けて
組み立て式のトランクのようにすると収納に便利かも。

 キリサキは2.0ミリから10.0ミリまで長さが違いますが、横リンク棒にあけられた穴の差し替えで調整します。この「横型ボール盤」は、チャックの回転を押しボタンスイッチで操作し、レバーで押しつける方式ですので無駄に回転させる必要がありません、そのため作業がすぐ終わりますので、騒音とか安全に寄与すると思います。




このほか、「グローバルソー」による「非鉄金属」その他の切断。
(2.0ミリのアルミ板を切っています)



切断砥石による鉄の切断等「電動丸鋸」になります。
(3*32フラットバーをこれから切るところです)


 この丸鋸タイプでの使用にはちゃんとした台(私は面倒なのでその辺の角材等をよく使いますが)を作ることをおすすめします。それから「防塵メガネ・皮手袋」必須です。(視力が落ちたり失明したら工作どころではないですよーーー)

 ここまで特殊工具等一切使っていませんし、材料費も1万円超していないと思います。次は「第二形態」です。いよいよ「ツインドライブ」です。私も作るのは初めてですが「イメージトレーニング」は何百回とやっています。(もちろん成功しています)失敗したら笑ってやってください。

2002.8.16 加筆。


ここまでは成功していますのでご質問等ありましたら下記へどうぞ。



 これは日立の電気ドリルです。今から30年ほど前に足場から落っことして取っ手の部分がもげてしまいました。捨てるのももったいないので台に取り付けてもっぱら丸棒の錆落としに使っていましたが、当時は「スライダー」(スライドベアリング)等知りませんでしたので、それ以上のアイデアは出ませんでした。

 銀行のATM保守点検の仕事がきたとき、キャッシュデスペンサーが「スルスル」と筐体からせり出してくるのを見てこのようなベアリングがあることを知り、「こいつは使えそうだ」と思いました。んで、今回の「ツイン・ボール旋盤」となった訳です。


 おまけ。

 屋内配線器具の結線方法は独特なテクニックがあります。電気工事士なら常識ですが偉そうに解説してみます。大抵1.6ミリのFケーブル(単線2芯)をビス止めするときですが、

外付けコンセントの例。

 ビスをゆるめておき、被覆を剥がした銅線を一回転させます。この時必ず時計回りにします。逆にするとビスを締めたときはずれます。電線がもったいないとケチッてはいけません、最低でも50ミリは余分に出るようにします。このあとドライバーでビスを締め付けます。ドライバーは出来ればマイナスのタコドライバーを使います。(握りがでかいやつ)



 次に余った電線の端をつかんでこれ又時計回りに「グリングリン」まわします。すると根本のあたりがねじれて折り切れてしまいます。これが又ちょうど良いあたりでねじ切れるのです。一度お試しを。(単線の場合です)

 (その後、念のため増締します。マスジメとは一定のトルクをかけてさらに締める事です。電線がぶち切れたりネジ山が崩れない・・・しかも更に締まってるようにします。これは体験しないと拾得出来ないかも)・・・(つまりぶち切れる・ネジ山が馬鹿になるまで締めてみる)



オマケは2002.8.11記