「穴あけヤットコ」の作り方。    トップページに戻る。

ヤットコとはこういう工具です。

左上の黒いのは6*10ミリのキャップスクリューボルトです。
大きさの比較用です。

 昭和40年頃までは「ラジオペンチ」の替りとして抵抗などのリード線の折り曲げ等に使われていましたが、最近ではほとんど使われなくなっているようです。もともとは鍛冶屋さんで赤く熱した鉄を炉から掴んで取り出すときに使う工具です。

 先端が「ペンチ」のように平らになっていますがギザギザはついていません、今回使った物は幅7ミリぐらいでした、「ぐらい」と書きましたのはこの工具、あまり精密な作りではなくて寸法にバラツキがあります。その替り安くて1丁150円でした、(錆びていたのでまけてもらった) 


 さて、今回の「市販されていない工具の作り方」はこの「ヤットコ」をちょっと改造して、超便利な「穴あけ用治具」にしてしまおうというものです。加工は簡単、ヤットコの先端に貫通穴をあけるだけです。

こんな具合です。この写真では3.0ミリの穴をあけました。

 この「ヤットコ」という工具は一応焼きが入っているようですが、たいしたことはないので鉄鋼用のキリサキで簡単に穴があきますが、念のため「ガスコンロ」で焼き戻しをしました。(加工後の焼き入れは必要ありませんが、やれば長持ちするかも) 


使い方は簡単です。

このように「ヤットコ」にあけた穴を、あけたい位置に合わせて挟み込み、電気ドリルなり、
ボール盤なりでガイド穴にそって穴をあけるだけです。


バリもなくきれいな穴があきます。はがしているのは表面保護
用のマスキングテープです。(写真は1ミリのアルミ板) 
(例によって写真が下手でスミマセン)

 「ヤットコ」の大きさによりますが、今回のものは板の端から30ミリのところまで穴があけられました。あんまり時間がないので詳しく説明出来ませんが、(工房移転中なので)この「穴あけヤットコ」を 2.0ミリ 3.0ミリ 4.0ミリとか3種類程度作っておくと、小物板への穴あけが正確・きれい・簡単にする事が出来ます。なによりバリも出ないし安全です。

 特に「メカトロニクスの工作」において、ロボット関節「ラジコンサーボ」の取り付け台や「プリント基板」の穴あけ(取り付けビス穴)加工等が簡単になります。森永さんの「マイクロマウスの作り方」のお役にも立つとおもうのですがどうでしょう。
  


次は「ポチッとなペンチ」です。


2002 3/17記

 書き忘れましたが、3ミリ程度のアクリル板など厚みが異なる場合、「ヤットコ」の挟む面に隙間が出来ます。そのまま使うと割れたりバリが出たりしますので、加工する板の厚みによって専用のものを作る必要があります。(ひっぱたいて厚みに合わせる) 




_