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(2ページはマイコンのページの予定です)
【実践 その2】
左がドリルを「つっこむ」ベアリング側、右が裏側(下板の)になる位置を合わせる為の穴側です。
6ミリに続きまして 2.0ミリ 2.5ミリ 3.0ミリ 4.0ミリ を作りました。この5種類を作っておけば大体間に合うと思います。他の径・たとえば 5.2ミリとかが必要であれば、あける個数が少なければ「ベアリング」など使わずに直接2枚の平鉄に貫通穴をあけて使えば良いわけです。連続してあけたい場合は「カラー」を作ってはめて使用します。この辺は臨機応変です。(旋盤が必要ですけど)
ベアリングは「格好良く圧入」にしたかったのですが、慣れている10ミリだけが成功しました。あとはしょうがないので「カシメ」てしまいました。どうにも腕が悪いので。
とにかく、「絶対正確な穴あけ」はそんなに必要ではありません、必要とする場合を考えますと、
皿ビスを使う穴
ギアの軸
モーターの取り付け穴(小型マブチモーターとか)
出力軸
正確なリンクの軸
出来合の精密部品の取り付け穴
等々・・・でしょうか、少なくともアルミ板には必要ありません、ただの組み立て穴はセンターポンチで十分です。
それではここで実際に使ってみます。作るのは私が前からやってみたかった「模型油圧ピストン駆動用のギアポンプ」です。まだ成功するかどうかわかりませんが、とにかく第一歩です。
マブチモーターのピニオンギアを2個使って「オイルギアポンプ」が作れないかなーなんて思いまして始めました。左上の円筒形の物は「ラウンジ」とかいうルーペです。10倍なんですが買って失敗しました。焦点距離が決まっていて今回の治具には使えませんでした。
右下に写っているのが印刷した部品図です。これも失敗しました。「ジャストシステムの花子」を使ったのですが、線の太さが、
1ドット
0.2ミリ
0.4ミリ
0.8ミリ
1.0ミリ
任意
と、あったので、一番細そうな「1ドット」というのを選んだのですがプリンターの関係でしょうか、なぜか0.2ミリと同じに印刷されました。というわけで「紙に印刷したもの」を張り付けて加工したのでは最小細さにはほど遠いのです。最新のプリンターではわかりません、と、いうことは10ミクロンの精度はプリンターで印刷したのではダメかも、(顕微鏡でも見ました)そこで「カッターナイフ」でケガいてみました。驚きました。アルミ板にカッターナイフの新品刃先で「筆圧」10グラムく゜らいで線を引いた物を顕微鏡で覗いたら「50ミクロン」はあるではないですか。(驚き、マジ)
そんな訳で「10ミクロン前後の誤差・・・」は撤回させていただきます。 だって記入した以上の精度なんて出せっこないですから、このへんが「フライス盤」などの違いです。つまり「記入したところに」正確に穴あけするのと、XYで送ってあけるのとの違いですね。
左写真の上は3ミリのビスです。大きさの比較用です。フラッシュの関係で作図が白くなってしまいました。中央の写真は穴の位置を合わせています。「ルーペ」を使うと良いです。右の写真があけ終わったところです。左と右の穴は 0.85ミリ干渉しています。とても正確です。この穴は そう よくトランスの取り付け穴にある「アジャスト穴」に似ていますね、ヤスリで仕上げれば綺麗な「長穴」になりそうです。こんな穴あけって難しいんですよね。
次ぎに4ヶ所の2.0ミリの穴をあけてみました。一応組み立て穴のつもりです。これは意味もなく0.5ミリのアルミ板ですが、勿論バリとか一切ありません、私もこんなに正確に穴あけ出来たのは久しぶりです。
上は大きさ比較用の3ミリのビスです。ピニオンを入れたらピッタシでした、あとはABS樹脂で作ってみるつもりです。あぁっ どうなることか、うまくいくといいなぁ、「マブチモーター」で油圧ピストンが駆動出来たら「ターミネーターの腕」も夢ではなくなるっ・かも?。
多分ですけど、「ガンダム」も「アトム」も1モーターだと思っています。んでもってそのパワーを各関節に送っていると思うのですがどうでしよう、現在「1関節駆動」には「1サーボモーター」が主流ですが、私はどうしても「フルパワー」を1関節に送りたいっ、最近「人工関節」とか筋肉の100倍の力だとかニュースで見ますが、ホビー的には「油圧」も捨てがたい。
絶対正確・・・は半分失敗したような感じで終わりますが、「正確な作図」シリーズみたいな物に移行していきます。やっぱり手動には限界がありますので、この続きは「ステッピングモーター」使用の工作とします。例によってメチャ「バラック工作」です。皆様 古いパソコンを捨てないでおいて下さい。(ウインドウズ嫌いっ)
結論・・・50ミクロンは達成したと思っています。(ノギスの精度ですね)
2003.4.18 記
2003.4.15
【実践 その1】
いよいよ実践ですが、その前に「なぜこのような無謀な事を始めたか」の理由を述べます。東京秋葉原の「九十九ロボコンマガジン館」に私は良く行くのですが、前に行ったときに理由も無しに「ピニオンギァセット」を買ったのです。(マブチモーター用のやつ)100円しませんでした、 んで 眺めていたらなにやら「油圧シリンダー」の「歯車式ギアーポンプ」に利用出来そうな気がしてきたのです。もし成功したら、現在の「ラジコンサーボモーター」全盛のロボット界に新たな「アクチエーター」にならないかなー なんて思いまして。(笑い、かな?)
勿論かなりの問題があります。ギァーはご存じのように「インボリュート」あるいは「サイクロン」曲線とかになっています。油圧送りの場合はちょっと特殊な曲線になるようです。(詳しくはメカニズム辞典とか参照してください)しかしホビー的にはモーターの出力が10パーセントも出ればOKとか思いませんか?、「平歯車」だってそんなに効率良くないし。
そこで最初に問題になるのが「軸間の距離」です。これは歯車伝動と違いまして常に「密着」している必要があります。やったことないのでわかりませんが、「10ミクロン」くらいかなーなんて思いまして今回の知ったかぶりになった訳です。(すでに「バカヤロー」のメールいただいています。)
で、私なりの答えとして今回の「ベアリング」を使用して「ドリルキリサキ」のブレを極力抑え、穴あけしたい所に固定して正確に穴あけしよう・・・というわけです。
ところで普段使うキリサキの寸法表示をみると、 3.0 ミリ とか刻印されています。これはどういうことかといいますと、「精度」を表していると思います。「日本工業規格 機械便覧」によりますと、 ・・・ 忘れてしまいました 普通10分の1ミリ単位で売られていますよね、カタログみますとこれは「10分の1シリーズ」と言うらしいです。この他に「100分の1シリーズ」というのがありましてこれには 3.00
ミリ とか表示されています。
穴を正確にあけるための工具に「ストレートリーマー」という物があります。これには 3.000
(例)と刻印されています。(寸法的には1ミリ単位です。他の寸法は特注かも?)これって「1ミクロン」前後の精度が出るって事ではないでしょうか、今回の「絶対正確?」にも最終的にはこれも使います。
さて、穴あけには「2つの正確さ」が必要です。一つ目が「真円」・・・ これは先ほどの「ストレートリーマー」で実現出来ます。二つ目がどこを基準に円の中心を決めるかです。「センターポンチ」ではミクロン単位の位置決めは不可能であると前に書きました。皆様「10ミクロン」の線を引けますか?、引けます。1本だけなら、しかし2本目をたとえば10ミリ離れた所に10ミクロン以下の精度で引けますか?。
2003.4.18
訂正します。引けません、顕微鏡で覗いたところ、アルミ板には無理です。鉄板とかステンレスの場合は実験してからご報告します。
まあ10倍程度の「ルーペ」を使えばなんとかなると思いますが私はイヤです。そこで何かに頼った方が良いです。たとえば「ジエットプリンター」とか「XYプロッタプリンタ」とか思いまして色々試しました。結論からいいますと旧式はダメです。ドットが荒すぎます。最近の高画質・・・はヨサゲです。何種類か試してからご報告します。それから確認用として10倍くらいの拡大鏡は必須です。60倍ぐらいの顕微鏡があると最高ですね、モニタに撮すのは3万円ぐらいするようです。
実はですね、ここで「アナログレコード」の「針」を使った「ケガキマシーン」が必要ではないかと思い始めています。たもちん様やそのお仲間の方々、NAO様のこだわりの技術と機械があれば簡単に実現しそうなのですが、そこはそれ、「超初心者・初心者」の方々のための(私を含めて)「電気ドリル」程度の工具で何とかするコーナーですから。
12*18ミリ
実はこれが「油圧モーター」の部品の一つです。たもちん様から提供していただいた「ABS樹脂」で作る予定です。あの「ヌメッ」とした感触が何とも油漏れを防いでくれそうな予感がします。病院の医療器具・機械にもバンバン使われていますし、今回のギァー式が失敗しても血液を送る機構にすればなんの問題もありません。(大きくなるけどね)
つづく です。 2003.4.14 記
『猫玉♪』(ねこたま)様からの情報です。 2003.4.15
http://www.watch.impress.co.jp/akiba/hotline/991127/etc_qx3.html
ここにUSB接続の顕微鏡が載っております。有り難うございました。
【治具制作】
内径6ミリ・外形19ミリで、厚さ6ミリのボールベアリング(密閉タイプ)と直径19ミリのホールソーです。本当は3ミリとかでやりたかったのですが、写真に撮るとわかりにくそうなので6ミリにしました。
ベアリングを平鉄に取り付ける方法は色々有りますが、6ミリの平鉄があったので「はめ込み」にする事にしました。この部分はどんな取り付け方でもかまいません、しっかりとガタがなければサンドイッチでもかまいません、上の写真は19ミリの穴のほかに色々あいていますが全部適当です。端から2番目の小さな穴は2枚の板の整合用です。
整合用の3ミリの半ネジボルト部分です。Vのようなマークはこういった合わせ加工お約束の印しです。この手の工作では裏表が違ったり逆さまに合わせたりすると「まず」穴が合いません、(オレだけかなー)ところでわざと大げさに印しを付けました。
ちょっと見にくいですが、3ミリのボルトのいらない部分をひっぱたいておりきりました。あと「ヤスリ」なり叩いたりして平らにします。
太い方のボルトは「隙間」を押し広げる為の物です。別になくてもかまいませんがあった方が作業しやすいです。
さて、19ミリのホールソーで穴あけした後、ベアリングを入れると「ガバガバ」です。これはホールソーの精度があまり良くない為です。これは仕方ありません、焼バメとかはボール盤ではちょっとやっかいですのでここでは「センターポンチ」で周りをつぶして固定しました。そんなに力はかからないのでこれで十分です。
一応塗装してカッコつけてみました。
下側の真ん中の穴はまだあいていません、これは重要な事です。つまり全体が出来上がってからでないとまずいのです。なんたって10ミクロンですから。(ちょっと心配になってきました。フロシキ広げすぎたかな?)
いよいよ6.0ミリのキリサキで穴あけです。この時「平鉄を東西南北水平」に保てると良いのですが、自信がなければキリサキの先端をベアリングの穴につっこんで(勿論回さずに)おいてからスイッチを入れます。「フットスイッチ」を作っておくと良いですね、そして貫通させます。
貫通させた下側の板の方の穴を更に10ミリぐらいのキリサキですくいます。「1ミリほど」残してください、穴を広げる事によって実際に作業をするとき「ルーペ」等で覗きやすくなります。削りすぎると「バリ」の発生を押さえられなくなります。
ちょっと試しに「0.5ミリ」のアルミ板に穴をあけてみました。全くバリも変形もありません、正確な位置への穴あけはまだです。
次回は実践です。いくら正確に穴あけが出来るといっても材料にケガく時、ずれていてはなんにもなりません、ところで10ミクロンなんて「フリーハンド」でケガけるはずがありません、(米粒に何十文字も書ける人は別かな?)そんなところから入っていきます。(フライス盤とか持っている人は別です。ここではあくまで超初心者・初心者の方々の為・電気ドリル程度しか持っていない方々の為のコーナーです)(えらそうに スミマセン)
2003.4.12 記
追伸
本当にマジで10ミクロンとかやるんでしたらルーペではなく「顕微鏡」が必要です。あの時計修理屋さんの目の所にはめるやつもヨサゲです。私は顔にあまりシワがないので凄い「しかめっ面」しないと落っこちる。
【絶対正確?な穴あけ法】
一応「1.0ミリ厚のアルミ板」への穴あけについての考察です。それも1.0ミリから10.0ミリ程度の小径の場合です。それから材質が違う場合や厚みが違う場合は多少研究が必要ですのでご了承下さい。
能書き
2003.4.7 能書き その3
正確な穴あけとはちょっとずれますが、穴あけ時の「盛り上がり」と「バリ」について。
「盛り上がり」はほとんどがキリサキの切れ味の低下で発生しますので、ここでは「バリ」について考察します。「バリ」はなぜ発生するかといいますとほとんどの場合「人為的」です。新品のキリサキでも発生します。なぜ発生するかといいますと、「キリサキの押し下げ力のコントロール」があまり効いていない事によります。
つまり、貫通直前に「フワッ」と力(チャック押し下げの)が抜けると良いのですが、沢山あける場合はどうしても力ずくになってしまい、「キリサキの切削が間に合わず」下方にバリとして押し出してしまうわけです。
このバリを出さない工夫は色々あります。
@突き抜ける手前からソロソロとキリサキを降下させ、極力バリを出させない。(ある程度はどうしても出ます)
A下に別の板を密着させて下の板もろとも穴をあける。(効果的ですが下板がボコボコになります)
B適当な大きさの厚さ10ミリぐらいのベニヤ板等を受け台に両面テープで張り付け、更に10ミリー20ミリ程度の金属小片をキリサキが降りる中心にやはり両面テープで張り付けます。そしてあらかじめ「穴」をあけておきます。加工している板が貫通時「浮き上がらない」ように押さえながら穴あけ作業をすれば、バリに関しては完璧です。穴径が変わるたびに小片を取り替えます。(多分一番安価、しかし正確さは別問題です)
Cドリルキリサキの先端を加工します。このように研ぎなおします。既製品も発売されていますが、6ミリ以下は私は見たことがありません、友人はセットで売っているといいますが、「東急ハンズ」あたりでしょうか、このキリの欠点は「研ぐのが難しい」のと「3ミリとか細い径は無理なのでは?」という点です。私の知っている機械職人はこのキリで1.6ミリの鉄板にボコボコあけていました。曰く「ホールソーなんかよりよっぽど綺麗で早い」と、申しておりました。(痛むのも早いらしい)
D特殊キリサキを使う、ちょっとテーパー部分の表現がオーバーですが、こういうキリサキが市販されています。「ブラインドリベット」の下穴用なので4ミリとかしかありませんが、用途が決まっていれば便利かも、それに調べていませんが他の径の物があるかもしれません、先端は普通のキリ、あとは「ストレートリーマー」かフライス盤の「エンドミル」みたいな構造で、キリサキで普通に穴をあけ、テーパー部分でバリの部分を更に削り取る構造のようです。(私は使ったことがありません、高いし)欠点はある程度の貫通距離が必要な事です。電気ドリル(ハンディ)には合います。
Eサンドイッチ構造、2枚の平鉄を「整合関係」にし、(つまりいつも同じ位置に合わさる関係)目的の穴径のキリで貫通穴をあけておきます。作業するときは穴加工したい板を挟み込み、動かないように固定して穴あけします。とても綺麗な穴があきます。たとえば1ミリのアルミ板に3ミリでも16ミリでも「バリのない綺麗な穴」があきます。欠点はセットするのがちょっと面倒くさいのと、何カ所も何回も使っているとだんだん馬鹿穴になりバリが出てきます。
2003.4.7 記
次回は、「Eサンドイッチ構造」を基本に更に高機能にした(ちょっと大げさかな?)穴あけ誤差 驚異の10ミクロン前後の穴あけ治具を紹介いたします。でも10ミクロン以下のケガキ技法が無いと無意味です。それと「それに合わせられる目が必要」です。私はすでにダメかも。
2003.4.3 能書きその2
能書きその1で、センターポンチとチゼルポイントの関係は大体おわかりいただけたと思います。しかしこれで正確に穴があくかといいますと「そうはいきません」、難関がまだまだあります。その第一に「チゼルポイント」を克服したからといって「そのまま中心をたどって穴があいていく」とは限らないのです。
その理由は「キリサキ」の角度にあります。昭和30年頃はたしか114度ぐらいだったのですが最近は118度ぐらいのようです。なんかメーカーによって微妙にちがうような?、最近見かけませんが「角度ゲージ」というのがありました。(持ってたけどどこかにいっちゃった)それにはキリサキの色々な角度があって、切削物によって使い分けていたような?。
要するに「鈍角」なんです。これには切削効率・発熱・寿命・求心力?といったような企業秘密が絡んでいるようです。その「鈍角」故に「外周」の切り込みが始まるまでは「ちょっとした外力」で中心から外れてしまう可能性があります。
薄い板に穴をあけるとき、なんの手当もしていないとまともな穴があかないのは、「外周」を切り始めた時はすでに中心部分は貫通してしまっているために安定が保てずウールマークになったり急激に板がキリサキを駆け上がったりするわけです。(対策は沢山ありますから大丈夫です)
ところでセンターポンチ関係以外の穴あけ位置がずれる原因の外力とは?を列挙して見ますと。(ボール盤使用)
キリサキの2枚の刃の切れ味の差(研ぎの不均一)
キリサキ自体のシナリ
ドリルチャックの品質(三爪)
ドリルチャックのテーパー部の精度(ミソすり運動するのがあります)
センターシャフトのガタ
リターンスプリングの強弱(信じられないと思いますがこれが5割ぐらい関係します。後ほど)
受け台の調整不良(あれって斜めにして使う人っているんですかねー)
受け台の直角不良(これが狂っていたら直せない?)
適切回転数
フリーハンドの弊害(加工物の保持)
よそ見
まだまだあると思いますがこんなとこで、ところで機械科でこういうの「レポート」だせってあるらしいです。前に学生に相談されたことがありました。「ラジアルボール盤」についても聞かれたけど私はさわったこともありません。
ところで「リターンスプリングの強弱」ですけど、こういう部品名かどうか知りませんがあの「手を離すとチャックが上死点まで移動する」機構の事です。多分安全性を重視してこうなっていると思いますが、中にはえらく強い物があります。昔プリント基板穴あけ用に精密ボール盤とかいうの買いましたが、バネが強くて変なとこに穴がずれるわキリはよく折るわでまいりました。改造してからは(バネ取っただけ)快適です。
こういう状態を職人の間では「上がり勝手」(あがりがって)だ、とか「上がり勝手」になってる・・・とかいいます。反対は「下がり勝手」と言い、中間は「バランスが取れてる」とか言います。
旋盤の場合、芯押し台にキリサキをセットして丸棒に穴をあける場合、バランスもなにも関係なくて、ハンドルを回してキリサキを材料に押しつけ切削していきますが、この場合食い込む力加減は全て指先に伝わってきます。音・煙・振動・切り子等を見ながら作業を進められる訳です。
ボール盤の場合、キリサキの食い込みは「リターンスプリング」に逆らいつつ押し下げていくわけで、「指先、あるいは腕に感触」が伝わりにくいです。その為必要以上に強く押しつけたりして結果、キリサキを湾曲させてしまいがちです。
これにより「確実」に穴位置はずれます。(これはテンセイのテイセツです)
これを防ぐには「バネを取っ払う」のが一番です。はずしてそのままだと危ないし作業もしにくいのでプーリー等を使っておもりでバランスを取ります。(チョッピリ上がり勝手になるのならどんな改造でも良いです)この改造をすると穴あけ精度がかなり向上する事請け合いです。指先にも旋盤作業と同じような感触が伝わってきます。(回転しているので旋盤ほどではないですけど)
と言うわけで、センターポンチは「現場作業用」です。スプリング内蔵の物は私も昔使っていました。片手で作業出来るので便利でした、なんかルーペで覗いてセンター位置出しをする物があるそうで、コレクションにほしいなー、ところで穴あけ時の「表面盛り上がり」や「裏面のバリ」等はまた別問題です。能書き3でやります。私の絶対穴あけ法も最終的にルーペを使いますよ、ちょっと目的がちがいますが、いやまてよ同じかな?、でも覗いたあとの作業が違うから。(なんたって誤差10ミクロンですから)
追加
センターポンチで刻印するときに「金敷」等の上に板を乗せてやりますが、ポンチの先端をつぶしやすい(特にアルミ板の場合)ので、間に同じ材質のあて板をすると快適です。時々金槌で成形すると良いです。金敷で傷もつかないし。
2003.4.3 昼記
2003.4.3 能書きその1
【絶対正確?な穴あけ法】・・・などと書いてしまいました。「ふざけるなバカヤロー」という声が聞こえそうです。しかし私の知ったかぶりを一応読んでからご批判下さい。(恥かきそうですけど)
「センターポンチ」
中学校の技術の教科書で登場します。大抵「ドリル作業」する場合前もってあけたいところに「クボミ」を付けます・・・と、いうような記述があります。「正確にあけるため・・・」とかは書いてありません、実は「センターポンチ」の使い方は結構難しいのです。
それは「センターポンチ」と「ドリルのキリサキ」の関係が結構複雑だからです。これは「キリサキ」の構造にあります。皆様「チゼルポイント」という言葉をご存じですか?、キリサキには大まかな分類として「木工用」と「金工用」があります。(その他プラスチック用とかまだまだありますが)木工用はご存じ「先導用」の木ネジのような先端があるやつです。(これもウンチクがありますが後ほど)
「金工用」のキリサキですが、これ又色々なウンチクがあるのですが、正面から見て2つの刃が付いているのはご承知の通りです。その2つの刃を繋いでいる部分があります。先端ほど薄く、チャックにくわえる方に行くにしたがってだんだん厚くなり、クボミが無くなったところで完全な丸棒状になります。
横から見るとこんな感じですが、45度向きを変えると
こう見えます。
この繋いでいる部分のところは「通常」に研いでは「刃物」になりません、この刃物にならない部分を「チゼルポイント」といいます。近年、この部分を更に研ぐ技術が開発され、市販されていますが、10ミリ前後の径になるのと特殊研磨機が無いとちょっと真似出来ません。
この「チゼルポイント」と「センターポンチ」は密接な関係があります。(この辺が中学校の教科書には載っていません)皆様、センターポンチを使わないで穴をあけようとしたことはありませんか?、ツルツル滑ったと思います。特にある程度厚みのある物にはなかなかうまくいかなかったと思います。しかし薄い板の場合は「刃先を押しつける力で板がブラックホールのように湾曲するため」以外と滑らず穴があきます。そのかわり「最低」の結果になりやすいですけど。(たとえばウールマーク)
センターポンチの先端は大抵こんな感じです45度ぐらいの物が多いようです。この先端は出来るだけ鋭い方がポンチングするとき楽なんですが、そうすると相対的にクボミの直径が小さくなります。又、板を突き破り、先端が金敷等でつぶれてしまったりします。
私は割と正確(割と・・・です。絶対・・・はまだまだ先です)な穴あけをしたい場合は2種類のセンターポンチを使用しています。
こんなのとこんなのです。
右は鋭くとがらせた物、十字線にあわせやすいです。これで軽く刻印したあとに、左の鈍角な物で更にポンチングします。これにより10ミリぐらいまでのチゼルポイントはクリア出来ます。
こんな感じですね。
ところで、センターポンチは正確な穴あけへの入門ですけど全てではありません、次ぎに「センタードリル」というのがあります。センタードリルは実は「旋盤」専用の治具工具という訳ではありません、ネットサーフィンしていましたら、ボール盤にセンタードリルをくわえて穴あけをしていらっしゃるページがありました。
センタードリルはこんな感じです。1本1000円ぐらいします。先端の細いところは「1ミリ 1.5ミリ2.0ミリ」とかあります。斜めのところは45度です。太い所の径は5ミリです。(だったかな?最近健忘症)
実はですねー センターポンチで、ある程度正確にあけられる穴は 1.5ミリ程度までなんですよーーー
それから センタードリルで、ある程度正確にあけられる穴は 5.0ミリ程度までなんですよーーー(下穴として)
ある程度とは0.1ミリ前後です。まあ大抵はこれで十分とは思いますが。
(旋盤は除きます。旋盤の場合は別の理由があります)
まあ私の独断と偏見ですけど。 2003.4.3 記
2003.4.12 本当に「バカヤロゥ」というメールが来ました。どのぐらいバカヤロウなのかもっと書いてくれればいいのに。