テクノ情報コーナー  その17。 2002.8.1        実行のページへ。

家庭用100V使用の電動ドリル(ノーマルタイプ)に、正逆転スイッチを付けよう。
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 最近、ホームセンター等の工具コーナーを見ますと、様々なドリルが展示販売されています。特に電池ドリルは交流のドリルより多いのではないでしょうか、機能も高くなり、インパクト・速度制御・正逆転・トルクコントロール等が全てつき、驚くべき安さで売られています。

 そんなおり、ノーマルな電気ドリルを正逆転するための改造など時代に逆行する改造・・・と思われるかもしれませんが、ちゃんと目的があります。大体、電気(電池)ドリルは職人が現場で使うために発達してきました。メーカーではもっと売るためにホビーの方々に目を付け、作りまくり・売りまくっているだけです。それでも木工工作には絶大な力を発揮しています。

 ホビーの工作で金工加工とかになると、電気(電池)ドリルは極端に使いづらくなります。そこでワンランクあがって「ボール盤」の導入を考え始める訳ですが、ボール盤にはたいてい逆転装置が付いていません、なぜかといいますと、構造上危険だからです。そこで今回私が提唱いたします「電動ボール・旋盤(注1)なるものの前準備といたしまして、今回の正逆転改造計画となるわけです。(なに書いてるか分からなくなりそう)

 電動ドリルのよいところは、その起動トルクです。欠点?は速度が遅い(ギアで落としているので当たり前ですが)ところです。ホール盤ではベルトの掛け替えでそのへんのところをクリアしています。私の考えている方式では、電気ドリルの回転数がちょうどよいのと、コンデンサーモートルの改造は面倒くさいのです。(やってやれないことは無いけど、分解するのがめんどい)

 (注1) 電動ボール・旋盤・・・とは?。
 新しい工作機械?と思っております。ボール盤とか旋盤はホビーの工作としてそんなにしょっちゅう使わないと思います。特に旋盤は小さな物でもまともに買うと10万円ぐらいします。ボール盤は1万円以下でも買えますが、「置き場所が無い」とか「重い」とか「畳の上には置きたくない」とかなかなかみなさん踏ん切りがつかないようです。

 模型工作でもロボット工作でも6ミリの鉄板に10ミリの穴をあけるとかいうような荒技はあんまりやらないと思います。大体は1・2ミリのアルミ板や真鍮板にせいぜい3ミリの穴をあける程度が多いのではないでしょうか、また旋盤にしても真鍮丸棒に2.5ミリの穴をあけて「タップ」を立てるとか、円盤を作り出す程度だと思います。(シリンダーを作りたい、等の場合は別です)

 つまり、「超低予算」(1万円以下でなんとか)「片付け簡単」「音も静か」「安全」おまけにちょっとした旋盤作業も出来ちゃう横倒しボール盤もどきの「手作り工作機械」という物です。


 ところで、「4路スイッチ」(よんろすいっち)ってご存じですか、階段とか長い廊下などで一系統の照明をON・OFFするための物です。スイッチが3ヶ所以上の時、両端が3路スイッチで中間が全て4路スイッチになります。一般家庭では3階建て以上でないと使いませんのであんまり見たこと無いと思います。

こんなのです。

外見は普通の部屋のスイッチと同じですが、
表面にボッチ(しるし)がないのが特徴です。

 埋め込みタイプしかありません、(多分)なんでこんなスイッチを持ち出したかといいますと、電気ドリルの正逆転切り替えにぴったりなんです。普通の「スナップスイッチ」でも回路作れますが、こっちのほうが簡単簡単。(1個700円ぐらい)


これ、裏側です。

 この4つの穴につっこむだけで、平行・バッテンに(つまりリャンコ)切り替わります。乾電池の回路に使いますと、簡単に+−の逆転回路が作れます。


4路スイッチ購入の仕方。

 日曜大工センターなどでは「まず」売っていません、それと「村・町」では多分店そのものがありません、「市」になってやっと一軒あるかないかです。もちろん「電気屋さん」で予約購入は出来ますが、(普段は多分置いてない)80パーセントぐらいいやがられるか店員さん知らないかも。
 実は「国家免許である電気工事士試験」でも「3路スイッチ」までしか試験に出ないので、大きな現場を経験しないと工事士の方も知らない場合があるんです。もちろん東京秋葉原の電気街では売ってます。ところで「市」の場合ですが、たとえば「ナショナル配線器具」とか書いてある電光看板がある店(株式会社が多い)には必ずあります。「4路スイッチほしいんですけど」と言うと多分うさんくさい目で見られます。いちいち説明するのも面倒くさいですから、「営繕に頼まれた」とか「親方に頼まれた」とか言えば、「どちら様? 何個 !! 」と言いますから、すかさず「1個ッ 現金で!!」 でOKです。(こういうのはほとんどつけ売りなので)

配線のしかたを聞いちゃダメですよ、プロのふりして買ってください。


 次に電気ドリルの内部から2系統4本の電線を出す必要があります。しかしカバーをあけてみると分かりますが、かなりピッチリ配線されています。その中からピックアップして線を引き出すには、ちょっとコツというか練習が必要です。一発勝負ですから。

適当な線で練習です。

ビニール平行線の片側を切断して、このように
持ち上げてください、工具はニッパ2丁用意してください、
2丁無い場合はラジオペンチで代用します。



端から4ミリぐらいのところで挟みます。
これはラジオペンチを使った例です。


 
次にニッパをラジオペンチに密着させるようにしながら電線を挟みます。
そして「テコ」の原理を使って被覆のみはがします。(こじる)



このように被覆が4ミリぐらいはがせれはOKです。


 このような作業を心線に傷を付けずに100パーセント出来るようになるまで練習してください、なぜこんな練習をするかといいますと、電気ドリルの内部の線からリード線を引き出すために目的の電線の被覆をはがすとき、線自体に無用な力を加えて線がつながっている「別の場所」を破壊しないためです。(私は電極を引っこ抜いてしまったことがある、おまけに落っことしてバラバラになった、どこになにが挟まっていたか分からなくなり、部品が余った)

 コツとしては、ニッパとニッパまたはラジオペンチとニッパの先端をうまく使って線全体には影響を与えないようにこじり剥き(皮むき)をする事にあります。


中の線までブチッと切らない微妙な腕の拾得です。

 ビニール平行線を使っての練習は、少しでも制約がある部分の練習として、で、(腕を使わず小手先だけでの皮むき)それ以上の意味はありません、又、工作初心者の方のための記述ですので、くどい説明ご容赦ください。


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