バッテリー溶接機には、充電回路が当然必要です。4個のバッテリーには48ボルト以上の電源が必要です。私は昔特注でトランスを買いました。2万円以上しました。

 ところで、超簡単トランスの作り方・・・なんて書いてしまいましたが、先日東京秋葉原に行って材料を買おうとしてびっくり、高い!!! あまりにも高いので、超簡単トランスの作り方は断念します。なぜかと言いますと、新古品で二次電圧24ボルトのトランスが400円で売っていたのです。(山ほどあった) 

 ところで、直列接続・並列接続っておぼえていますか?、中学校(小学校かな?)の技術の教科書(理科?)に載っているものですが、電池の接続方法です。あれって直流の話ですよね。

 東京秋葉原のジャンク店で、400円のトランスを見たとき考えたのです。直流回路で出来るのなら、交流回路ではどうかなって。

 そこで早速400円のトランスを2個買ってきて実験しました。完璧です。一次側は並列接続、二次側を直列接続にして整流回路を通したところ、見事直流48ボルトが発生しました。(当たり前)バッテリーに接続したところ、約2アンペアで充電が開始されました。


 
 トランスは、容量1アンペアの物です。わずかに発熱しますが大したことはありません。
400円のトランス2個使った超簡単充電回路の実験中です。二次電圧24ボルトのトランスを2個使って48ボルトにしています。バッテリー3個で36ボルトの場合は、二次電圧12ボルトと24ボルトを組み合わせれば良いわけです。(定格電流容量は合わせて下さい) 12とか24ボルトのトランスは、手に入りやすいし他に比べて安いです。ところで交流の直列接続って珍しいでしょう。

 また、トランスなど使わなくてももっと簡単な方法があります。電気ストーブ等を使う方法です。
 電気ストーブと、ブリッジ整流器・あとは電線とかだけでバッテリーの充電器が作れます。笑えますが回路的には完璧です。

 回路はストーブの電源プラグ片側にブリッジ回路を入れただけです。(感電注意!!) 

 上の方が電気ストーブです。バッテリー4個を接続して、ストーブ側400ワットで2アンペア、800ワットで3.4アンペアの充電電流でした、そのままの回路でバッテリーを3個にしてみたところ、400ワットで2.6アンペア、800ワットで4.1アンペアでした。
 
 この方式の良いところは、アークを飛ばしている最中に(溶接中)充電回路の保護が必要ないことです。だってショートしたってストーブ側は本来の仕事をするだけですから、勿論欠点もあります。アースを地面につなげると、その途端・又はアークを飛ばした瞬間に漏電ブレーカーが作動してしまうことです。

 ですから溶接作業は、空中で行う必要があります。もっとも、その都度電源を切れば良いわけですけど。

 ブリッジ整流器は、耐圧200ボルト・電流10アンペア以上を使用します。バッテリー(無料)と電気ストーブ(よくゴミ捨て場に捨ててあるようなやつ)をのぞけば、整流器が1.000円ぐらいだとして、全部で 7.340円で(大体)バリバリのアーク溶接が出来ます。
   
 充電回路の保護(トランスを使う方式の時)には、リードスイッチという部品を使います。ガラス管の中に接点が入っていて、磁力で動作する物です。一個100円ぐらいでしょうか、あとAC100ボルトのリレーが一個必要です。チョッピリシーケンス回路の知識が必要ですが、たいしたことはありません、興味がありましたらメール下さい。y_okb@msd.biglobe.ne.jp 

これで、バッテリー溶接機の作り方を終了いたします。書き足して行ったので内容が読みにくくなってしまいました。ごめんなさい、最後までお読み下さり有難うございました。近いうちに、スポット溶接機の作り方をUPする予定ですが、工業用200ボルトを使いますので、あまりお役に立てないかも知れません。   1月31日 完

 追加。
 電気ストーブのかわりにホットプレートでも電気アイロンでも電気コンロでも遠赤外線コタツでもOKです。100Wの電気スタンドでは0.3アンペアでした、自動車のバッテリーが上がってしまったときなど、整流器一個あればその辺の物で充電回路が簡単に作れます。一度お試しになってはいかがでしょうか。
 



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 産業廃棄物として処理される寸前のバッテリー(自動車用)を3台使った【バッテリー溶接機】の基本セットです。
詳しくはこちらをクリックしてください。
写真を多用していますので約40Kバイトほどあります。
 
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安価な、バッテリー溶接機の作り方。         戻る。

 溶接といっても、色々な種類があります。このコーナーでは、鉄を対象とした溶接機です。その中にもたくさんありますが、ここでは抵抗溶接という手法の溶接機です。

 一般的な抵抗溶接機には、100V(家庭用電源)、200V(商用・工業用電源)、エンジンウエルダー(エンジン式)、そしてあまり知られていませんが、バッテリー式とあります。(そのほかにも、スポット溶接機とか色々ある) 

 ところで、抵抗溶接はパワーが命です。大体3KWはほしいです。家庭用の電源は、100V15A程度しかとれませんので、100*15=1500 で、1.5KW程度です。これではとても足りない、1.6ミリの溶棒(最低の細さ)がやっと溶ける程度です。しかし、200Vを引き入れている家庭はそうは無いと思います。エンジンウエルダーはリースで借りられますが、家を建てる場合をのぞいて、そうそう借りられません。

 そこで登場がバッテリー式溶接機です。

 自動車のバッテリーです。そろそろ本格的な冬に備えて、ガソリンスタンド等で、新しいバッテリーに交換するドライバーの方が増えていると思います。そこでスタンドに行って、廃棄されるバッテリーをもらってきましょう、産業廃棄物ですから気持ちよくくれると思います。

 ただし、何でもかんでもはいけません、次の条件に合致する物にしてください。

  • バッテリーは、6つの漕になっています。電解液が入っていますが、減っていてもかまいませんから、6漕とも同じ程度の液面を保っている物にします。(ヒビが入って漏れている場合がある)
  • 表面に型番が書いてあります。その中に数字が含まれていますが、40から80程度の物を選んでください。
  • 最低3個、出来れば4個手に入れてください、出来るだけ同じ数字の物にしてください。(て、いうか同じでないとヤバイ)
  • よく見ると、プラスとマイナスが逆のタイプがあります。出来れば同じタイプが望ましいです。
  • 表面の汚さは関係ありません、完全放電していてもかまいません、汚い方がかえって良い物の可能性が高いです。
 バッテリーが、3個手に入れば 2.6ミリの溶棒が、4個手に入れば3.2ミリの溶棒で溶接が可能になる可能性があります。これは、5ミリ程度の鉄板を溶接する事が出来る(薄いのは当たり前)ということです。 




 それでは次の機会に原理と構成を。



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