林メカトロ工作支援室
【トップページへ】

【ドタマトンカチビットを作る】 前編
2005.9.30
 絶チルパンチャーに使うドタマトンカチビットのセンターには3ミリの穴があいています。この穴は旋盤で簡単にあけられますが、旋盤が無くても「ボール盤」があればちょっとした工夫と腕で加工出来ます。(電気ドリルしか持っていない方はちょっとお待ち下さい)それでは私なりの加工法を。
【下準備】

まずビットになる丸棒を切断します。これは直径 10ミリ・長さ 100ミリです。(適当)

 
センターポンチで大体真ん中辺にクボミを穿ちます。
そしてドリルキリサキでチョッピリさらいます。(本当にチョッピリ)

 
 どんなに真ん中にしたとしてもズレが出る可能性があります。ずれてしまったらドリルを斜めにして修正します。これは納得のいくまでやります。普通2・3回もやると大体 0.2ミリ以下ぐらいの誤差でセンターにクボミが出来ます。この時クボミの深さは 1.0ミリ以下で収まるようにします。それより深くなったら表面を削ってやり直しします。
 自分で納得がいったら下準備は完了です。

 次は「直角保持治具」を作ります。なにに対して直角かと言いますとボール盤のテーブルに対してです。ボール盤バイスを使いますが簡単です。





林メカトロ工作支援室
【トップページへ】

【ドタマトンカチビットを作る】 後編
2005.9.30

 ドリルキリサキを垂直に保持する治具を作ります。適当な木片の中央上の方に6ミリの貫通穴をあけます。
  
 木片をボール盤バイスにしっかりくわえ、先ほどの穴にめがけて3ミリの垂直穴(貫通)をあけます。次に3ミリのキリサキを刃を上にして穴に沈めます。先端は5ミリほど出します。6ミリの横穴に左右からボルトを挿入し、クランプで押さえつけてキリサキをガッチリ固定します。
 
 クボミのついた方を下にしてドリルチャックに丸棒を固定します。(加工物を回転させてキリサキ切削しないとセンターに穴をあけることは出来ません・旋盤の原理)さてここからが問題です。右手で静かにチャック(勿論回転スタート)を少しずつ降ろしていき、左手で軽くボール盤バイスをさりげなく押さえます。「キリサキの回転をあやすように」バイスを固定します。右手と左手の共同作業です。(旋盤では心押し台がこの役目をします)ちょっと言葉で言いにくいのですが、やってみればすぐコツがつかめます。(求心力が働く)でもって振動が無く5ミリほど穴あけ出来たらOKですが、左手に振動を感じたら失敗なので最初からやり直しです。(丸棒を削ってやり直し)
 
 キリサキの先端を15ミリほど引き上げて固定し直し、更に穴あけします。ここからはただ単に普通のボール盤作業となります。

見事にセンター穴あけ完了。

 
 高ナット(長ナット)の真ん中に穴をあけ、丸棒を通してボルトで両端締め付けし、ビット先端処理をします。いつもはUの字カットなんですが、ちょっと思うことがあり、今回「ゆるいVの字カット」にしました。理由は「絶セレパンチャー」の時に。
 
 ドタマトンカチビット完成、前に作ったのは6ミリで機能穴用、今回は10ミリです。肉抜きや飾り穴打ち抜き用です。



 精度は旋盤の次ぐらいに出ていると思います。なにより先端穴あけの後はただのボール盤作業ですから5ミリ以上のセンター穴をあける場合は「精密小型旋盤」より楽だと思います。(もっとも貫通穴使えないからシャフト長は制限されます。でもピローブロック使えば制限無しかな?)








_