林メカトロ工作研究室
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2007年1月19日〜

1月19日(金)
【打撃折り曲げ】B(実践)

 何か道具があると、それに頼ってしまう事があります。たとえば「針金を切るにはベンチ」とか、「ペンチが無いから針金が切れない」なんて思ったことはありませんか?、実は針金を切る方法なんて沢山あるんですよね、折り曲げも同じです。そういうわけで効率のよい方法を混ぜながらマブチモーターマウントを昨日に引き続きやってみます。

  
 昨日と同じような物をケガいて切り取り、穴あけしました(昨日の経験から微妙に寸法がちがう)まずは「挟み押し曲げ叩き仕上げ」をやります。工作ベース300を使いましたが万力でもアングルでも可です。

  
 挟んで押し曲げ、叩いて仕上げます。オーソドックスな曲げの方法です。簡単に出来る反面曲げ位置が狂いがちです。それを少しでも避けるため対面曲げをします(トイメン?、作業手順で誤差を相殺する)

 
 例によって布テープを貼り、カッターで筋を付けてから矢板をなじませます。昨日作った平鉄で作ったV溝を工作ベース300に挟みます。勿論万力でも可です。

 
ひっぱたきます。このためにこのV字溝を作ったわけです。実に良い仕上がりです。

 
立ち上がりは挟んで曲げるだけ、ラジオペンチでも良いぐらいです。


完成です。昨日のと同じ形ですが、出来映えはちがいます。

 
 モーターをはめるとき、「バチッ」っと音がします。アルミ板では不可能な保持力です。ところで作ったは良いけれどこのマウントは使い道がありません、まぁ経験値が上がったと言うことで。
1月20日(土)
【打撃折り曲げ】(応用編・前編)

 「打撃折り曲げ機」という案が出ました。溶接など使わずドリルとディスクサンダーがあれば作れます。トタン板、それも小物専用です。アルミ板は出来ないことはないですが、例の「遅れ曲がり現象」が出ます。

 まず矢板と矢板押さえを作ります。先端がV溝の中心に来るようにあて板を挟みます。長い平鉄は両端で支柱ボルトを挟むためです。矢板は幅80ミリにしました。これは前に作ったV溝台に合わせる為です。

 
矢板の先端はこんな感じ。

  
組み立てるとこうなります。


これは前に作ったV溝台です(大穴は元々あいていた穴)。

 支柱用のボルト2本と押しバネ、ナット・平ワッシャ・高ナット2個です。高ナットはただのナットでも良いのですが「操作性」を高める為に採用しました。


このように組みます。スプリングは重要な働きをします。

 工作ベース300に取り付けます。平鉄2枚で代用出来ます。その場合は万力に固定します。写真は左右に支柱、中央にV字台を挟んでいます。これで出来たも同然です(テストは明日です)
1月21日(日)
【打撃折り曲げ】(応用編・後編)


中程適当なところに前に作ったV溝台を挟み、矢板押さえの左右に長ネジを入れてボルトで固定します。

  
もうこれで完成、試しに幅60ミリのトタン板を差し込み、スプリングの限界までスパナでナットを締めます。

 
あとは適当にひっぱたくだけ。

 
 なかなかのできばえです。 0.6ミリという鉄板をこういう形にまげるのは万力では難しいと思います。右の写真の中央付近の取っ手のような物は写真を撮る為のつっかい棒です。よく見るとわずかに「遅れ曲がり」が出ています(遅れ曲がりとは私の造語です)

 今回使った押しバネです。太さ 1.6ミリのがっしりしたSUS304 No 1127 というスプリングで、1個200円します。実験の途中、「6ミリのネジだけどナットで締め付けるだけで曲がるかもしれない」なんて思って無理矢理締め付けたらこんなになっちゃった、「なんではずしてからやらねーんだ」なんて思ってもあとの祭り、もう使い物になりません、あぁ400円損した。

 このバネの役割は説明しなくてもおわかりだと思います。こんなにしてしまう前は快適でした。


とにかく新しいタイプの折曲機ができました。
1月22日(月)
【L型切り取り治具】
 アルミ板とかトタン板とか切るときにカッターや金切りハサミ・丸鋸・メタルバンドソー・電動糸鋸・ニブラ・裁断機・・等々色々あります。A5052なんかですと電動工具でないと大変ですが、1ミリのA1050とかトタン板や銅板なんかは電動工具なんかつかうとかえって切断面が汚くなったりします。直線切断の「切り落とし」でしたら金切りハサミで十分です(薄い場合)。

 しかし途中で切断を止める・・・というかL字に切ろうとした場合、ついつい切りすぎたりします。先に小穴をあけておいてという方法もありますが、ドリルなんかだとバリの処理に往生します。又いちいちバリの出ない穴あけの準備なんて面倒くさいです。

 そこでなんとか簡単にコーナーをL字に切り取る方法を考えてみました。平鉄とアングルを使って「L型切り取り治具」です。上手くいくかどうか分かりませんがやってみます。

 材料は平鉄2枚とアングル、整合用のビス2本、6ミリの蝶ボルト4本です。みんな適当な寸法適当な数です(その辺にあった物)

 アングルは適当に斜めにカット、平鉄の中央に90度の切り込みを入れます。やってみて分かったんですがこれは難しい、あとできちんと仕上げしないとダメっぽい、アングルだって「タガネ」には向いてないし、こりゃダメかな?。

 でもまぁそれらしく仕上げました。なんか大事な要素が抜けているような気がします。それも使ってみれば分かること、それよりこの治具は「メカニマル」とかいうのを作るのに役立ちそうな気がします。型さえ作れれば90度にかぎらず色々な形に抜けそうな気が。

 実験は明日です。
1月23日(火)
【コーナーシャー治具】
(名前負けしますが)。
【コーナーシャー】 【L型切り取り治具】 (またまた題名変更)。
 薄い板の角を切り取る目的で作りました。こういう事をする物がアマダ製であるらしいです(兵庫県のT様の情報)昔ユニックでアマダのでかいバンドソー(油圧式)を配送していたけど「しらなかったー」なんだかとっても「チキショー」。

 「井の中の蛙・・・」とはいうけれどまったくもって「恥ずかしい」、でも ま、何十円でおんなじような事が出来れば良いか、性能は段違いかもしれないけど、ところで実は昨日一度試し抜きをやってます。一発でアングルの刃先?が「ナメリ」ました。大笑いです。

 またまたメールを頂きました。

こんにちは 林様
  HP拝見して・・あれ?、てっきり工作マシンをご存知で、それを個人工作で再現されるのかと思ってました^^;
 http://www.amada.co.jp/amada_jp_jp/engineering/eng_04_2_7.html

 ↑にアマダの"コーナーシャー"の写真があります。
 油圧で上歯(写真のベットから上のオレンジ部分全部)が上下して、SSでもSUSでも6mmくらいまでならガシガシ切れました^^ ほんと便利な機械でした。 蛇足ながら・・・m(_ _)m


 情報有り難うございました。

 私の工作はほとんど「ドラエモンの四次元ポケット」的発想から始まります(歌・うたってください、大部分は妄想で終わります。一番欲しいのは「どこでもドアか通り抜けフープ、」○○場に行くのだ)

 
 本編に入る前にトタン板の切断から。
 前にもやっていますが、このようにスチールスケールをクランプして「アゴ出し金切りハサミ」(正式名称知らない)をスケールにそって切っていくと板が反りません(反対側に全て行ってそれはそれはカールする)

 
なかなか快適。


と、思いきや「一発」で先端がナメッてしまった。

 
 最初に試したのが 0.6ミリのトタン板だったのがまずかった、銅板とか1ミリぐらいまでの A1050程度なら十分実用になるでしょう、 0.6ミリのトタン板にしたって4回ぐらいは使えます。そのあとちょっと研げば良いし(最初に90度の頂点部分だけ鋭いポンチ等でちょこっと穴をあけるのも良いかも)。

 写真右の下側は罰当たりにも曲尺を切って作った物です。あと大工道具の「ノミ」でも楽々切れます。もっとも切れ味が落ちてもかまわないのならですが。


 最後にご注意、こういう作業の場合は万が一を十分考える必要があります。一番の注意は打撃の瞬間に「鉄片」が飛び散る危険があります。保護眼鏡は勿論、革手袋も必須です(過去に経験あり、レントゲンで見ながら先生がピンセットで取ろうとしましたが骨に突き刺さってとれず「ラジオペンチ」を消毒してやっととれました。目だったらアウトでした)
1月24日(水)
                          
 民生用マブチモーターです。前の「現品.com」さんの時に1個80円で買いました(50個) 12Vです。自動車のサイドミラーの角度を変えるとかに使われていたそうです(今は?)重さ 35gでなかなかパワフル、軸径2ミリ軸長45ミリ。

 これを3年前に買ったとき、「赤貧サーボ」はこれしかない・・・と思いました。しかしそれから失敗つづき、最近は「ロボザック買おうかなぁ」なんて。

 洗濯機が壊れたので新しいのを買いました。古いのそのまま引き取りに出すのは勿体ないのでモーターだけでも何かに使えないか取り外しました。しかし「な・なんじゃこりゃあーーー」小さいのにお・重い、おまけに電線が12本も出てるっ、どうやってつなげば回るんだ、こんなの使えないよぉ。

 攪拌・脱水、明らかに回転スピードがちがいました。おまけにシャフトがカゴとか直結、???です。昔のコンデンサーモートルを期待していた私はロートル?。

 話しかわって赤貧サーボの失敗は「減速機構」のこりすぎのようです。考えてみたらモーターの力(トルク)は決まっているのに手作りのギヤとかくっつけたらパワー落ちるばかりです。そこで最近の洗濯機に習って「減速機構無し」「ケース無し」「制御行き当たりバッタリ式」という路線で行こうと思います。「ブラシレスモーター」とか「なんとかモーター」とか新しい物がすでに出来ているかもしれないし、無ければ空気圧とか油圧という手もありそうだしなんとかなるかな(ならネェだろうなぁとチョッピリ弱気)
1月25日(木)
【コーナーシャー治具・改】


先日作った「コーナーシャー治具」、ちょっと使いづらいので改良しました。

 
タガネのガイドを付けました。

 
 それから「先攻打ち抜き用」のタガネを作りました。なかなか良い材料が見つからず、写真のような木工用?クランプの胴体を切断して先端を切削しました。軟鉄よりは硬いかな?と思って使ったのですがどうかな?。

 
まずは先攻打ち抜き。

 
そして本番打ち抜き。


作業完了。


なかなかの使用感です。

 また一つお助け治具が出来ました。小人軍団に加えられないのは残念ですがアイテムとしてはなかなか重宝しそうです。

 実は「先攻打ち抜き」で、下にVブロックを置いたのですが位置が悪いのに気がつかず「ガン」と一発やってしまい、いきなり先端を潰してしまいました(勝負はVブロックの勝ち)これの切り取り長さは一辺20ミリです。どのぐらいの長さが良いのかこれから検証します。

 板金折り曲げで一番面倒なのは「ケガいた板」をいかに切り取るか(楽に簡単に)だと思います。この手の治具はシリーズになるかもしれません。
1月26日(金)
工作ベース300
【コーナーシャーモード】

 前回作ったのはコーナーの一辺が20ミリの物でした、実際に何かをやるには30ミリぐらいは欲しいような気がします。それと下の台をひっぱたいてタガネの先端を痛めたくないのでその辺も改善したいです。ちゃんとした台は作りたくない(邪魔くさい)ので「工作ベース300」のアタッチメントとして作ります。勿論固定した万力に挟んで使うことも出来ます。例によって「全部材」です。どうにも一式そろっていないと工作意欲がわかないタチなもんで。

 下の3個の切り込みは万力使用の時は必要ありません、ところで90度の切り込みは大汗かきました。新入社員研修で、なんか鉄?の塊をヤスリで手仕上げさせる映像を見たことあります。男女問わずでした、精神修行?、この作業も気が抜けません、フライス使うと簡単なのかな?、でも鉄だからかなり手こずるかも。


穴あけとか加工終わり、見本があるのであちこち気配り出来ます。
やたらに穴があいていますが使い勝手がわからないからです。



打ち抜きタガネのガイドは約2度ほど手前に寝ています。打ち抜き時に
出来るだけサンドイッチした縁に刃先を近づけるためです。



左右の蝶ボルトは強制的に隙間を作るためです。
(縁が正確に重なるように整合ピンを固めにしている為)。



完成しました。真ん中の90度の切り込みのほかにあと3個所切り込みがあります。その辺は後ほど。

 コーナーの部分を切り取るほかに、別の切り取りの案が出ました(3個所の切り込みのほかの用途)順番にやっていきます。






 アップロードがなかなか上手くいきません。
1月27日(土)
【コーナーシャーモード】
使ってみる。

 早速工作ベース300に固定して使ってみます(万力でも可です)挟めたのは 0.6ミリのトタン板です。このテストは一片が30ミリでも縁にそって打ち抜けるかの実験です。

  
 結果はご覧の通りです。ガイドを2度ほど傾けたのが功を奏していると思うんですがいかがでしょう、タガネの先端がピッタリ縁にそっているのは間違いないところです。

 次は注目の 1.5ミリ厚A5052です。こんな板は打ち抜きなんかしないで電動工具かなんかで切った方が早いんですが、一応出来るかどうか試しておく必要があります。もしうまくいけばこの「コーナーシャー治具」の格が上がるというものです。

 成功しました。アングルなんかで作ったタガネいきなりではまず無理です。例の木工用クランプの胴体で作った先行タガネで先に突破口をあけておけばあとはアングルタガネでも楽々でした、先行タガネは2方向斜め切削で切断面はダイヤ型になっています。


 ひっぱたく力ですが、1ミリのA1050を1としますと 0.6ミリのトタン板は3ぐらい、 1.5ミリのA5052は7ぐらいでしょうか、打ち抜き後、ダイヤタガネやアングルタガネの先端はつぶれたりとか変形はしませんでした、(さすがに軟鉄でも鉄は鉄ってか)しかし「先行打ち抜き」というのは結構なアイデアだったかな?(自画自賛)。


 2週間考えに考え抜いてやっと「遠心接点」(赤貧サーボの核)の構造を思いつきました。とにかく「簡単な構造」「ありふれた材料」もちろん「超安価」、バーニング宮田様の「俺サーボ」と比べたら「でんでん虫とマウンテンゴリラ」ぐらいの差がありますが、値段もそのぐらいの差があります(あれっ めん玉さわると引っ込む・・・てーのもでんでん虫みたいだ)
1月28日(日)
ホビー用
【板金シャー】
 「コーナーシャー治具」なる物を作ってきました。大体形がまとまってきたので実際に何か作ってみようとして 「ゲゲッ、つ・使えネー」、いやはやホビー的な使い方をするには「もう一工夫」必要な事が分かりました。

 それから、打ち抜きタガネを2度ほど傾斜(縁に密着させるため)させましたが、サンドイッチの下の部分も同じく2度ほど傾斜を付けなければならないことに気がつきました。この作業はかなり難しいのでとりあえずは垂直でやることにし、この問題はあとの課題とします。

 最初は単なる遊び工作だったのですが、なんだかだんだん本気になってきました。まだかなり想像の範囲ですが、この板金シャーが完成すれば「ホビー的板金工作」がかなり楽に楽しくやれそうな気がします。A5052などをバリバリとはいきませんが、柔らかい板や薄い板なら簡単に美しい切り取りが出来ると思います。何より金切りハサミなどの切断時のメクレが全く出ません、それからブリキ玩具などに使われている「爪加工」も簡単に出来ます。

 名前が「コーナーシャー」から「板金シャー」になりました。コーナーだけを対象にしているだけではホビー的板金工作には向いていないと思ったからです。日本語的名前だと「90度多用途打ち抜き治具」とでも言いましょうか、かなりダサくなります。その点「板金シャー」というとなんとなくカッコイイ(シャーの意味わかって言ってんのか・という突っ込み無しね)。


 こんな事ばっかりやっている訳にはいきませんのでボチボチです。
1月29日(月)〜