【グラサンダー盤】を準備しよう。               戻る。      TOPページに戻る。

鉄板・アルミ板・銅板・真鍮板・アクリル板・プラスチック板・デコラ板・ベークライト板。
何か工作を始めるとき、このような板を切断する事から始めることが多いと思います。

切断する方法もそれぞれ
ハサミ・ノコギリ・カッター・丸鋸・折りきり・ガス切断・プラズマ切断・レーザーとかあります。

これらの方法で切れたとして、たとえ切り口はきれいでも、寸法通りに切るのはなかなか難しいものです。

多数の方々から、なんとか良い工具・方法は無いか、とのご相談が寄せられておりますので、
当社(つくば工房)の方法を、ご披露いたします。

それなりの投資は必要ですが、格安ではないかと思います。
仕上がりも抜群です。



グラサンダー盤・・・なんて聞いたことがないと思います。私の創作ですから、
なんのことはありません、ボール盤に回転ヤスリを付けただけです。
ただ、使い方が変わっています。

 板金工作に限らず、なにか物を作り始めるとき、板状の物を切断する事はよくあることです。それが、金属板・木材・アクリル・・・物によって様々な材料・道具を使うわけですが、問題は切断したあとのコバというか面取りです。

 どのような材料であれ、ほとんどの場合ケガキ線通りに切断する事はなかなか難しいものです。そうなると仕上げをしなければなりません、みなさんはそんな場合どのようにしていますか、私の場合「ボール盤」を使用しています。
 
 ボール盤 などというと、「そんな大げさな」とか「置き場所が無い」とか「危ない・ほこりが出る」とか「高くて買えない」とか、いろんな声が聞こえそうです。たしかに一部は当てはまります。しかし、工作をしたい・・・と思い立ったら、その工作がどのような分野であれ、まず一番最初に買うべき道具(工作機械)だと思います。電気ドリルやグラインダーや各種工具より先だと私は考えます。(たとえその工作がペーパークラフトでもです。理由は後記)

 卓上ボール盤(左の写真)の場合、値段は以外と安くて一万円しません(新品)、一流メーカー品ですと2・3万しますが、私の場合日曜大工センターで、特価品の6.800円の品を愛用しています。
(当社の製品より安い)     
 左の写真は「バイス」といいます。ボール盤についてきます。単品で買うと1.200円ぐらいしますので、買うとき注意しましょう。(付いてない店もある) 
 万力の代わりになって実に便利です。ボール盤の台に固定して(固定しなくてもよい)使いますが、勿論単体でも使えます。 
 さて、今回のお話は、このボール盤に、多羽根ディスクという部品を取り付けて、切削・研磨盤にしてしまおう・・・という訳です。それも超安全な・です。 

 切削・研磨作業なんて、危ない作業の両横綱ですが、つくば工房方式ですと、一番安全な作業になります。半田付けの方が危ないくらいです。

 今回の主役は、多羽根ディスクです。

 多羽根ディスクとは本来、100ミリディスクグラインダーに装着して、毎分10000回転ほどで回転させ、鉄、ステンレス、非鉄(アルミ、銅等)石材、ガラス、プラスチック、木材等の研磨、研削、錆落とし、バリ取り、つや出しなどに使用する回転ヤスリです。紙(布?)ヤスリを短冊状にして円周状に張り付けたような構造で、粒度40・60・80等あります。私は60を使用しています。  
 このように、中央の穴にはネジ(10の1.5ミリ)が切ってあり、ボール盤に取り付けやすくなっています。 
 わかりにくくて申し訳ありませんが、10の1.5の長ネジとナットです。これだけでボール盤に取り付けられます。
 専用の取り付けジグです。市販のもので500円前後、つくば工房では1.000円+送料でおわけします。値段が高いのは、精度が高いのと、作るのがめんどくさいからです。
 このように装着します。
 さて、ボール盤を使用する訳は、工作機械として値段が(一台一万円以下)安いのは勿論ですが、それよりも回転速度を五段階に調節出来る点です。メーカーや、製品によって違いますが、500回転から3000回転ていど、プーリーにかけるVベルトによって変更出来ます。これにより、材質のちがいによる削りすぎ等をふせぐことが出来ます。


 ここまでに必要な機材と大体の金額をまとめてみますと。 (2000.10.31現在 、日曜大工センターしらべ) 
名前 金額 説明 備考
ボール盤 6.800-9.800
ぐらい
 ドリルチャックは、1.2ミリから13ミリまでくわえることが
出来るもので、速度が5段階可変のもの。
 重量約21キロぐらい
です。
バイス 1.200円ぐらい  出来ればボール盤におまけで付いている店を探しましょう。  重量2.5キロぐらいです。
取り付けボルトナット 200円ぐらい  太さ4分または10ミリで、長さ40ミリ程度のボルト2本、平ワッシャ4枚、ナット2個、バイスをボール盤の台に固定するために使います。  万力の代わりです。
多羽根ディスク 1.000円ぐらい  中央の穴がネジになっているもの。(ただの穴の製品もあります。注意) 
長ネジ 300円ぐらい  10の1.5で、長さ30センチの長ネジが売っていなかったら、100ミリ程度のボルト1本とナット1個。
金ノコと刃 500円ぐらい  デイスクを取り付けるためのシャフトを作るのに使用します。90-100ミリ程度に切断します。
スパナ 500円ぐらい  17ミリと21ミリの二本必要です
 バイスをボール盤の台にボルトナットでしっかり取り付けます。全体で23キロ程度ありますので、作業台等に固定しなくても、長ネジやボルトを固定し、切断作業をすることが出来ます。まずは90-100ミリ程度の長さにネジを切断し、ディスクを固定してチャックに取り付けましょう、ここまでで一万円ぐらいの投資で出来ると思います。

 とりあえず速度は一番遅い回転にして廻してみましょう、鉛筆でも削ってみてください。

 
注意!!
 このボール盤式グラインダーと言うかサンダーは、切削面と目の位置が完全に別次元ですから非常に安全に作業が出来ますが、横からのぞき込んだり、飛散した粒子が何かにぶつかって目に飛び込む可能性等は常にあります。したがって防塵めがねは必ずかけるようにしてください、この記事によって制作して行った作業で発生したいかなる事態にも当方は一切関知いたしません、各自、最大限の注意をはらって作業を行ってください、又、これらの商品は当社では取り扱っておりません。(一部除く) 
 では、この【グラサンダー盤】(新語?)を使ってまずなにをしましょうか。

 私は昔これを作ったとき、市民権を得るため(女房殿から)まず最初に包丁のサビ落としをしました。刃は研げませんが、腹の部分のサビは完璧に落ちてピカピカになり、喜ばれました。(作業中、包丁の刃先には十分な注意が必要です) 

 このように、サビ落としには抜群の性能を発揮します。この他に、半田付け面の前処理や、バリ取り・研磨などに威力を発揮します。  


 しかし、一押しの使い方は、板の(鉄・銅・真鍮・アルミ・デコラ・アクリル・木・ベニヤ等なんでも)切断面の直線仕上げにあります。ミクロン単位(大げさかな?)の精度が期待出来ます。(勿論、手作業では出ません) 
  

治具作りにお進み下さい。


 この項終わり。









 どのような工作作業にも、あらゆる危険が伴うと私は思っています。私は常にあらゆる事態を出来るだけ想定し、対策を立ててから作業を行うようにしています。治具を作ることが多いのも、正確な作業という点もありますが、安全・・・と言うことを考えて作っています。
 特に目には最大限の注意を払っています。商売あがったりになってしまいますから、次に指先です。これも商売にてきめんに影響します。あと、足下でしょうか、私はよく重量物をボトボト落とします。このときの反射神経はナミではなく、武道家のようにサッとよけます。が、最近鈍ってきています。
 あと、ドラゴンボール(漫画)ではありませんが、イメージトレーニングをよくします。何度も何度も加工するときに起こりうる事態を想定し、対策を考えています。なにしろ一回こっきりしかできない失敗が許されない作業というものがありますから、しかし、考えすぎてそのまま寝てしまうことがたびたびあり、納品が遅れる一番の理由になっています。
  

戻る。