市販されていない工具等制作シリーズの15回目。
2002.9.9
ウオームホイールもどき製造器(製造法) 戻る。 トップページに戻る。
ちょっとトーンダウンしました。先にお断りさせていただきます。これは(できあがったモノは)おもちゃです。実用にはほど遠いです。しかし「ロボットの関節」程度(失礼)には十分使えると思います。理由は使用頻度です。車輪などの様に年中分回っているようなところには使えませんが、たまに動くようなところなら大丈夫です。
市販のウオーム歯車は、一番小さな物でもマブチモーターに取り付けるのにはでかすぎます。探せばあるかもしれませんが結構高いし、減速比もある範囲に限られます。それよりも問題は使いづらさです。昔HOゲージで電車を作っていましたが、モーターの力を減らさないように調整するのが大変でした。(小学生でしたけど)
なんとか安く小さく簡単に作りたいと思っていました。しかしまともに考えるとウオームギアの直径は8ミリ前後ないと自作出来ません、(私には)そんなおり読んだのが「プロからアマまで ミニ旋盤を使いこなす本 久島諦造著」です。その中にタップを使ったウオームホイールもどきの作業法が載っていました。「これだ」と思いまして当時ずいぶん(20年前ぐらい前だったかな)作りました。ところがこれが使いづらい、当然です。タップのピッチ分しか引っかかりがないので軸受け方式では実用にならないのです。(すぐはずれる)
9月5日に思いついたのは、この軸の付け方です。軸受けを作ろうとするから難しいので「軸受けなしでやろう」というわけです。具体的には「ウオームホイール」と「ウオームギア」を常にバネかなんかで押しつけておいて「はずれないようにします」、これにより「ガタ」が完全になくなりますので、ロボットの足等に使った場合、姿勢の安定に貢献します。問題は常に押しつけているので「回転時の摩擦」です。ヘタするとモーターのパワー半分ぐらい食ってしまうかもしれません、まあこれは「パワーのあるモーターを使う」「摩擦係数の低い材料を使う」「油とかグリスを十分に」というような事でごまかしましょう。
ウオームギアには長ネジを使います。正式なギア(日本工業規格に載っているような)ではありませんが、これからは「ウオームギア」と表現させていただきます、又、タップで製造する物も「ウオームホイール」と表現させていただきます。作るのは減速比60対1ぐらいの(ぐらい・・・といいますのは決められないんです)物です。マブチモーター280あたりで駆動する事を考えていますので、3*0.5ミリ長ネジと厚さ3ミリで直径20ミリ程度のアクリル円盤です。(厚さ3ミリというのは保持するのに都合がいいからです)
まずは「ウオームホイール」になるアクリル円盤作りです。
本当は真鍮板でやりたいのですが、何となく「アクリル」でもいいかなーなんて思いまして、(私の感はよくあたる、はずれも多いけど) とりあえず円盤を作ります。この作業には「ホールソー」が一番です。しかし中心のキリサキがなぜか大抵6.0ミリです。これでは太すぎるので3.0ミリのアタッチメントを作ります。
これが「ホールソー」、直径28ミリのものを使いましたが適当です。
中心のキリサキを止めている「ホーローセット」をL型レンチでゆるめて取り外します。
そして6ミリの丸棒に3ミリのボルトをねじ込んでこのようなアタッチメントを作ります。
ツイン・ボール旋盤で簡単に作れます。(もちろん旋盤ならいうことなし)
ピンぼけになりましたが、30センチのアクリル製物差しがちょうど厚さ3ミリだったので使いました。
なんだかとんでもないことをやっています。机の上にごろんと電気ドリルを置き、くりぬいたアクリル円盤を4枚重ねてボルト締めしたものをチャックに挟み、ノミが見あたらなかったので「竹割りナタ」で円周を削っています。コツさえつかめばどうって事ありませんが「人間旋盤」かな?、怪我には注意。(下に見えてる数字は下敷きのカレンダーです)
今回の主役の「3*0.5ミリスパイラルタップ」です。「ノーマルタップ」では出来ません、右の写真は最初に試した方法で、平鉄のサンドイッチではさみ、溝を切ってます。やってみると分かりますが、なかなか真ん中に溝が切れません、そこでボール盤でやってみることにしました。ところが肝心の切れているところがよく見えません、これは旋盤でも同じです。持っていませんがフライス盤なら多少見えるかもしれません。
しかし、どうしても「真上」から見てみたいので「ボール盤」を逆さまにする事にしました。
とりあえず分解です。
受け台を裏返しにはめ込みます。何となく安定が悪いので(あたりまえ)
ひもで固定しました。
こんな感じでスパイラルタップが固定されています。
回転は最低速です。
円盤を保持する治具です。前の治具と比べてアングルですので
直角も出て、より正確な加工が期待出来ます。
こんな具合にセットします。円盤はガタがなくそれでいてスルスル動く様に
スペーサー等で調整します。又円盤の全週やタップに556等油を付けます。
切ってます。これはベークライト板です。使えるかどうか試しです
結果は大丈夫でした。
完成です。0.5ミリの溝が出来たとは思えませんが
長ネジとかみ合わせたところ、十分に引っかかっています。
直径21ミリ程度でしたので、大体66対1ぐらいでしょうか、ところで問題があります。割り出し盤などを使っていませんので、タップが溝を切りながら進んでいくとして、最初の切り始めの溝と円周最後の溝が一致するとは限りません、ヘタするとちょうど山にあたってしまい、坊主になる可能性があります。って、この可能性の方が高いです。
次の回転で新たな溝を切っていってもまた坊主になるかもしれません、そうなるとだんだん小さくなってしまいます。実際そうなった円盤もありました。そこでいさぎよくあきらめて別の円盤に移ると・・・みんなダメにしないためには適当なところでやめる必要があります。これが車輪とか回転系に使えない理由です。(ロボットには問題ないでしょう、そこまでまわさなければ)
次は使い方です。
2002.9.9記
追記
ボール盤を分解していて気が付いたんですが、全く同じボール盤2台あれば「ツイン・ボール旋盤」が簡単に作れることに気が付きました。今やっている物より正確で強力な物が出来そうです。ホームセンターで特価品が出たら試してみます。
それともう一つ、このウオームホイールの溝は、組み立てると常に長ネジに押しつけられていることになります。そのためタップで溝を切ったときよりだんだん「フイット」してくることが考えられます。するとますます調子がよくなるのではないでしょうか。(多分)
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これはベークライト、はたしてどの程度使えるか?。
50年以上前からロボットを作りたいと思っていました。(思っていただけです)2年ほど前からなんか凄いブームみたいですね、RCサーボは私も30年ぐらい前から注目していました。中途半端に作ったこともあります。しかし、一個3.000円から12.000円ぐらいしますし、人間と同等な動きをさせるには20個ぐらいは最低使いますのでかなりの資金が必要です。マイコンの知識も必要です。
私は小・中学生のみなさんにも「人型・二足歩行メカ」を作れるよう(安く)長年良いアイデアはないかと考えてきました。そして「昨夜」突然ひらめきました。ウオームホイールの超簡単製造法です。正式なウオーム伝導ではありませんが、小型ロボットの関節程度なら十分な伝導能力・正確さ・扱い安さがあります。コントロール系を除けば1関節「300円」「100円」(ほとんど長ネジの値段)程度で作ることが出来ます。ギヤ比も20対1程度から300対1ぐらいまで制作可能です。(1段で)
上の写真は、その辺に転がっていたベークライト板で作りました。ちゃんと溝が出来てます。有名な「プロからアマまで ミニ旋盤を使いこなす本 久島諦造著」の220ページに載っている方法のパクリですが、私なりの改造をして、「旋盤」がなくても製作(電気ドリルだけ)出来る方法です。気をつければ小学校高学年生でも出来る方法です。
病院から呼び出しが来たので続きは7日になります。 2002.9.5記
スミマセン 8日の間違いです。
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