コーヒー缶で、エアシリンダーを作ってみましょう。 戻る。
エアシリンダーとは、その名の通りシリンダーの中に空気を注入し、ピストンをその力で押し出して、機械的な直線運動を作り出す装置です。身近なところでは、バスの昇降扉や電車の扉、普段、あまり見かけないと思いますが、製造機械にも沢山使われています。最近のロボコンの機体にも、小さなミニ・エアシリンダーが使われるようになってきました。 モーターとかソレノイド(電磁石で、一定の動きをする)ですと、ある電流を流せばいいのですが、エアシリンダーでは、コンプレッサー・タンク・電磁弁(空気の流れをコントロールする)とか色々必要になってきます。が、今回は自転車の空気入れ一個で実験します。回が重なればパソコンで制御したいと思います。(タンクや、電磁弁も自作したいと思います。コンプレッサーは、2980円ぐらいで買えます) 作る前に、どのぐらいの性能(力)が得られるか、計算してみましょう、缶コーヒーを買ってきて(勿論、拾ってきてもいい)飲んでから内径を測ってみたら、5.2aでした、ここから割り出せる円の面積は、 5.2/2=2.6 (半径) なので、円の面積は、 2.6*2.6*π=21.2264 (πは3.14として計算) 約、21.2平方センチメートルと出ました。 これで、1平方センチメートルあたり1s(1気圧)の空気圧をかければ、缶コーヒーシリンダーで、21.2sの物体を持ち上げる(均衡する)ことが出来ます。3気圧なら、 21.2*3=63.6 63.6s、約大人一人を持ち上げることが出来ます。自転車の空気入れでも、1気圧ぐらい軽く出ますから、20sぐらいの物は簡単に動かせます。あまりピンとこないでしょう、10キロのお米袋2個ですよ。 エアシリンダーには簡単に分類して3種類あります。
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今回は、@の1方向型です。
では、シリンダー(缶コーヒー)の加工から。
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まず、缶コーヒーを買ってきます。(または、拾ってきます) |
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飲みます。 そのあと、飲んだ人も、拾ってきた人も、良く洗います。 |
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ここからが、工作です。 コーヒー缶は、スチール(鉄)と表示されていますが、この、プルトップの部分はアルミ板です。縁の部分をヤスリがけ(コンクリートの上でガリガリでも良い)すると、折り曲げのスジが見えてきます。 |
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上のアルミの部分がとれます。 |
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ラジオペンチか何かで縁のカスを取り除きます。 |
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よく見るとくびれた部分があります。この部分はシリンダーの構造として好ましくないのです。 |
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したがって、適当に切り落とします。 |
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治具の制作です。B5ぐらいの紙一枚を用意し、端端を合わせます。 |
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端端をピッタリ合わせ、ホチキスで適当に止めます。 |
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その輪の中に缶を入れます。 |
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そして絞ります。赤矢印の重なりが、ピッタリ合うように閉め巻きします。 |
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紙と缶の間に隙間の無いように巻き付けてください。 |
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先ほどの窪みをさけて(前に切り落としたので無いとは思いますが)、仕上げ切りをする位置を決めます。このようにすると、円筒形の物の垂直がでるのです。おぼえておくと、応用がききますよ、大工に伝わる技術(宮大工)です。 |
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写真ではわからないと思いますが、紙と缶をセロテープでずれないように固定します。 |
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小さめの金切り鋏で巻いた紙の縁に沿って切り取ります。この写真のとおり、逆鋏(普段切る方法と違う使い方、理由はやってみて下さい)で切り取ります。 |
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このように、紙の縁に沿って切り取れればOKです。 |
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紙をはがせばこのとおり完了です。 |
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紙を巻き付け、缶の直径を測ってみましょう、巻き付けて、印を付けます。 |
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165_でした、円周を計算すると、165/π≒52.54 ま、外側で測っているので、52_でいいでしょう。(紙の厚みも関係してきますがアバウト) |
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今回使った金切り鋏です。ボールペンは大きさの比較です。刃渡りが短い方が使いやすいです。 |
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この金切り鋏は、下の刃がギザギザで、食い込みがグッドでした。 |
今回は、コーヒー缶を使用しましたが、水道管(エンビ管)や、アルミパイプ等で好きな寸法の物が簡単に制作可能でしょう。
つくば工房では、手作りの超小型油圧シリンダー(油圧20キロ程度)にも挑戦してみたいと思っています。
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2000.4.10