2本のセンターポンチの巻。      戻る。    トップページに戻る。

 始めにお断り(言い訳)しておきますが、この方法が正しいとか、こうすべきであるとかいうつもりはまったくありません、ただ何となく正確な作業が出来るような気がしているだけですので、そのスジのかたは笑い飛ばしてください。 

 キリサキ(ドリルの刃の事・正式には、ストレートシャンクドリルと言うらしい)で金属に穴をあける場合、そのままでは刃先がツルツルすべってしまい、なかなか思い通りのところに穴があかない場合が多いものです。

 その訳はキリサキの形状にあります。普通よく使うキリサキは2枚の刃が付いています。この2枚の刃の結合部分(もともと一体ですけど)が問題なのです。この部分は刃になりません、10.0ミリのキリサキで約1.6ミリあります。ここをチゼル(又はチーゼル)ポイントと言うそうです。(機械便覧より)
  

   キリサキを上から見たところ、真ん中のタテの線のような部分がチゼルポイント。


  同じキリサキでも見る角度(90度)を変えるとよくわかります。 


 この部分が刃になっていないために、10ミリほどの穴をいきなりあけようとすると、かなりの力と時間がかかるわけです。又、センターポンチでくぼみを付けても、1.6ミリ以上のくぼみにするには相当強くブッ叩かないとなりません。

 最近日曜大工センターなどで、このチゼルポイントを無くした特殊なキリサキが売られています。


こういうものです。特殊カットされています。
【正宗】とかいかにも切れそうな名前が付いています。
普通のキリサキの2割高ぐらいでした。


さて、本題です。


 上は、今回先端を30度ぐらいに削ったセンターポンチ。

 下は従来のままの90度ぐらいのセンターポンチです。


 ポンチ穴をうがつには、大抵十字に印を付けてその交点にポンチの先端を合わせる訳ですが、私はよく失敗します。ずれるのです。先端が90度の為ポンチを少し傾けて斜め上から合わせるのですが目検討のため、0.1ミリほどどうしてもずれる場合が多いのです。

 そこで、1本するどく削って使ってみました。快適です。まったくずれません、もっともこのままではキリサキがすべりますから90度の方で打ち直します。二度手間ですがたいして時間はかかりません。
 左がするどい方で、右が打ち直したくぼみです。

 ところで、3.0ミリのキリサキをノギスではかりましたら、約0.8ミリでした、この程度でしたらポンチ穴に楽々入ります。案の定快適なドリリングが楽しめるようになりました。


 なんだか書いているうちにむなしくなってきました。この方法を思いついたときは大発見したような気がしていたのですが、よく考えてみたらセンターポンチをわざわざ削る必要も無く、コンクリート釘をチョット尖らせば十分代用出来ますし、どこがテクノだ!! と馬鹿にされそうです。

 でも一度おためしください、ポンチ作業がすこし改善されるかも。


5/11

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