〔溶接例・5〕


これ又世界初?、回転溶接ホルダー。
(技術者・職人には軽蔑されそう)(あくまでホビー的遊びです)
2003.10.20

 ロボットの骨格として鉄は重すぎてダメだと思いますが、たとえば「ファイナルギァ」とかには必要だと思います。多に力のかかるところの部品としても・・・と思いますが、前にも書きましたとおり「抵抗アーク溶接」は細かい部品の溶接にはあまり向きません、しかしガス溶接やTIG溶接は装置が大げさになるし価格も高いのでホビー工作には向きません。

 そこで「点付け溶接専用ホルダー」として「回転式」を作って試してみたので公開いたします。なお、私のやり方そのまま真似しますとちょっと危険かもしれませんので自己責任にてお願いいたします。

 懇意にしている自動車修理工場から中古のワイパーモーターをもらってきました。このモーターはこの先ロボットの動力用に手に入りやすく制御しやすく構造簡単な上、結線の仕方で3通りの回転スピードが得られる、及び速度が丁度ヨサゲでこれから工作に色々取り上げようと思います。

 

 このクランクの結合方式は特殊なので、このまま使う必要があります。しかしこのままではつかいずらいので、ちょっと改造します。電池をつないで回転させ、マジックで円を書き、切り取ります。今回の工作で一番手こずりました。


 同じぐらいの円盤を作り、結合用の穴をあけます。

 作った円盤に10ミリの丸棒をたたき込み、中心に2.5ミリぐらいの穴をあけます。正確に中心の必要はありません、そして横から溶接棒を固定するための蝶ボルトを取り付ける為の加工をします。

 ホルダー部分が完成しました。このあと「給電ブラシ」の加工をしようと思っていたのですが、急に面倒くさくなってしまいました。「どうせもらってきたワイパーモーターだから燃えてもいいや」なんて思いまして「いきなり実験」する事にしました。

 でもってこれっ、思惑通りです。全く溶接棒が母材に張り付きません、(絶縁するの忘れてちょっと感電しましたけど)電流は30Aから100Aまでテストしました。ワイパーモーターは全く問題無しです。(本体に直接電極を接続しました)

 次ぎにバッテリーでやってみました。ちょっとへたっているので24Vでは無理でしたが3個の36Vでは完璧OKでした、へたってない80Aぐらいのバッテリーなら24Vでも大丈夫だと思います。ところでこのようにバッテリーのすぐそばで溶接してはなりません、写真を撮るためにしたことなので真似しないでください。

 なお、バッテリーはこの写真のようにキャップを全てはずして下さい、充電中に発生した水素ガスに引火しても、キャップをはずしておけば「ポン」ぐらいで済みます。


2003.10.20


2003.10.21

  〔リベット溶接法〕 (リベットを使う訳ではありません)

 今回の回転ホルダーを使用すると、リベット溶接法という方法が簡単に行えます。この手の溶接はかなり熟練しないと普通出来ないのですが、回転ホルダー使用なら楽勝です。


 これは1.6ミリ厚で作ったピースです。(1.6*15*15)溶接したいところに3−5ミリ程度の穴をあけておきます。
下の板にはあけません。

 この薄い鉄板で作ったピースを3ミリ厚のフラットバー(なんでも良い)に溶接しようというわけです。普通はこんな溶接は失敗する確率が非常に高いです。(ピースが溶けて原型が無くなったりする)

 
 この回転ホルダーを使えば簡単・簡単。


 形状がリベット打ちに似ています。

 裏側です。私の経験ですとこのぐらいの焼けこげが出来ていれば完全に溶接されています。なお、焦げているだけなので軽くヤスリ掛けすれば痕跡は無くなります。


 〔ボト穴溶接法〕

 ついでにもう一つ、これは0.35ミリのトタン板です。こんなのは普通溶接出来ませんが、「穴があくのが承知」なら出来ます。昔親会社の工場で、材料費節約の為に最初3ミリあった材料がロール成型で強度を持たせてどんどん薄くなり、終いには0.6ミリになってしまった部材がありました。工場では「スポット溶接」が使えるのに現場では出来ません、そこで仕方なくあみ出した方法です。(昭和40年代、今では普通みたい)(軽薄短小が始まった)

 この方法の時は、熱で離れないように2ヶ所以上で押さえている必要があります。横着したので少し離れてしまいましたが、強度に問題はありません。

 〔リベット溶接法だとか〔ボト穴溶接法〕という言葉は私が勝手に付けたので「世間に通用」している訳ではありません、ただ昔そう呼んでいただけです。

2003.10.21


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