〔電動工具の速度制御〕


3500Wまで。
2003.10.3

 モーターの速度制御といいますと大抵はサイリスタかトライアックを使用した「位相制御」です。「スピードコントローラー」として色々市販されています。私も買いまくって使っていました。しかしどうにも不満です。確かに高速回転の機器がコントロール出来るのは良いのですが、「負荷」をかけると極端に回転が落ちすぎるのです。

 それは何故かといいますと、特殊なコントローラーは別としてほとんどが「調光装置」と同じだからです。つまり交流の波形のどの辺をトリガーしたかで「電力量」を加減し、見かけ上速度をコントロールしているだけだからです。

 簡単にいうと「フィードバック」が無いのが原因です。フィードバックをかけるには「モーターそのもの」に合わせた回路が必要です。(これは面倒くさいですょー)そこで電子回路にあまり頼らないフイードバック方法を試してみました。

 久しぶりに東京に行きました。ついでに秋葉原の秋月電子に寄りました。最初「調光器」セットを買うつもりだったのですが、となりにあったSSR(ソリッドステートリレー)が700円を見て速攻買ってしまいました。(調光器は忘れてしまいました。失敗 !! )理由は、

 入力(制御)電圧DC3V-DC8V (maxDC24V)で、AC100V (40V-220V)50/60Hz 、最大35Aが制御可能な、半導体リレー(SSR:ソリッドステートリレー)キットです。
 交流電圧が0Vの時ON/OFFする〔ゼロクロス〕式の為、スイッチングノイズ・・・


 とありまして、これは凄いっと思ったからです。皆様にはピンとこないでしょうが、私にとってはビックリでした、今から40年くらい前に工場で回転ヒーターのONOFFに苦労していた私は「電磁開閉器」のかわりに当時25000円ぐらいしたサイリスタに回路変更したことがあります。200V・1Kw程度のヒーターでしたが、電磁開閉器はONOFFの頻度で1週間ぐらいしか接点が持ちませんでした、それがなんと700円とは。 

 ヒートシンクに取り付けたSSRです。部品点数5点とは驚きです。トリガーは「フォトトライアックカプラ」内部のLEDを点灯させるだけです。(半田付けは5分とかかりません)

 バラックですが板の上に組んでみました。トリガー電源は単3電池4個で6Vです。ショート入力端子は面倒なので銅釘です。ワニ口クリップでつなぎます。電池は使用しないときは電流ゼロなのでスイッチも無しです。

 例によって「ガバナー接点」を作り、ベビーサンダーに「押しつける」方法で試してみました。一定回転(かなり低速)になると電源OFFになる回路構成です。前回の「センターポンチ」の先端を鋭くする作業をしてみました。いやはや滅茶苦茶ぶっ飛びたい奴を無理矢理服従させている・・・という感じが大ありです。「悪魔が契約により術者にイヤイヤ服従している」という感じです。(つまり使えるが気を許すとヤバイ)

 ちょっと試しに電動丸鋸で試してみました。ガバナの円盤にはスリップ防止の輪ゴムをはめてます。これは最高でした、完全に服従します。ちゃんと作れば「安全な低速回転の切断機」が作れると思います。

 この他にボール盤でも試してみました。交換ベルトに押しつけるようにして回しました。超低速(力強い)でも十分実用になります。

 最初にやった「ベビーサンダー」ですが、位相制御である程度低速にし、遠心スイッチにより電力の増加・減少をコントロールすればOKだと思います。とにかく力は維持して騒音が減少+安全になれば言うこと無しです。

 
 
 以上工作の参考になれば幸いです。とにかく試してみるというのは面白いです。しかし技術の進歩は凄いです。昔「トライアック」なんて高価すぎて買えませんでしたから。(昭和40年頃200V30Aのサイリスタは6万円ぐらいしました。たしか)


2003.10.3


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