林メカトロ工作支援室        ナットを使わないで薄い板を結合する。     戻る。

 

 1ミリから1.5ミリ程度のアルミ板とか 0.3ミリの真鍮板やトタン板同士を結合するには写真のようなハンドリベッターを使って「ブラインドリベット」で止めるか右のようにリベットを使えば簡単です。しかしこれで止めると分解したくなったとき面倒です。

 

 そこでこのような「タッピングビス」などを使うのですが、これは普通に使っては全くダメです。特に3ミリのビスなんて全く使い物になりません、そこでビスの場合はナットが必要になるわけですがこれが面倒。

 裏に手が入ればよいのですが出来ない場合は「特殊ナット」が必要・・・となるわけです。これは色々な種類(アイデア出まくりで)があります。又「ロット」でないと買えないようです。(グループ買いという手もあります)タッピングビスも「ただ穴をあけてねじ込めばよい」という訳にもいきません、とにかくネジ山が切れる厚みが無いわけですから。

 

 このようにただ穴をあけただけのところにねじ込むと、穴径が小さくとも右のように下の板の穴が(縁)めくれ上がり、いわゆる「馬鹿穴」になってお話になりません、そこで次のように考えます。

 

 下になる板に穴をあけるとき「ブラックホール」のように「鳴門海峡の大渦潮」のように「トルネード旋風」のように、つまり「すり鉢」か「あり地獄」の穴のように(しつこかったかな)加工して穴をあけます。するとそこにねじ込まれたビスは「締めれば締めるほど」矢印のような力が下の板に働き、ビスを締め付けて抜けなくなる・・・という寸法です。これは板の応力の限界まで働くはずです。

 さぁーーーて 実験・実験。

 このタッピングビスは通称「鉄板ビス」と言いまして建築界ではもっともポピュラーなネジです。探してみるとそこら中に使われていますから見渡してみてください、家電製品にもデスクトップパソコンの本体ハードディスクのあたりにも似たような物が多数使われています。

 とりあえずその辺に転がっていたビールの空き缶で実験、おぉっ なかなか丈夫。(ストロボたくの忘れた)

  

 1ミリのアルミ板で実験、「雑敷」の上にのせてセンターポンチでブッタたいただけです。その後2.5ミリの棒(キリサキの刃が付いてない方で)で貫通穴をあけます。右の写真の左は 3*0.5ビスを無理矢理ねじ込んだところ、右はタッピングビスです。(タップを立てたりすると弱くなります)


タッピングビスの場合はその後切り取るとなかなか良いです。


さて、これだけでは「支援室」にならないので治具を作ります。


治具と言っても上下の板に 2.5ミリの貫通穴をあけ、
下になる方の穴をすり鉢にしただけです。


こんな感じでブッタたきます。


試しに思い切り締めてみました。(1ミリのアルミ板)
頭がナメッてしまいました。これは使える !! 。

 なお、これは私の発明でもなんでもありません、大昔からある方法で、身近な物では「洗濯機の裏蓋」「石油ストーブの本体結合部その他」等々家電製品の板金部分にはかなり多用されています。ロボットにも応用がきくと思います。





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