【BennderBlack30を使って手動スタンドドリルの台を作る】

林メカトロ工作研究室

 ベンダーブラック30(BB30)の基本機能の一つ、「一次曲げ」で幼稚園児や小学校低学年の児童でも安心して使わせることが出来る「手回しミニミニスタンドドリル」を作ります。太さは2ミリです。ドリルキリサキを2ミリとしたのは、ツマヨウジが丁度良くきつめに入るからです。木工工作や木の実の穴空け等に重宝すると思います(応用で 2.5ミリや3ミリも出来ます)。

 2ミリのキリサキはヘタをすると折れて危険です。そこで穴空け深さを制限して「真鍮パイプ」で補強しています。今回は単純な一次折り曲げですが、ふところ深さを確保するため「オーバーハング曲げ」の所が2ヶ所あります。簡単なアタッチメントを作りましたが、2ミリの A1050 なので「手曲げ」でもなんとかなります。


子供会用【手回しミニミニスタンドドリル】

完成写真、改良の余地はありますけど。
(2007.4.17の日記より)。

 前から頼まれていたんですが、子供会で使う「手回しドリル」、今までの作り方だと面倒くさくて(塗装とかビス止めとか)なかなか手を付けずにいました。ふと「台座とか板金でやったら簡単では?、折り曲げ機(BB30)もあるし」、なんて思いつきました。

 
 早速セッケイズ、(なんだこりゃですが)まぁ設計図というより「曲げ図」です。問題はイとロの部分です。完全な「オーバーハング」ですから普通では曲げられません、まぁやり方はいくらでもありますからどぅってことありませんが今回は仕上がりにこだわりたい(父兄が見るので)ので、いつもやってる「ひっぱたき」などはやらずに上品に曲げます。

 あとでわかったんですが、35ミリの所は33ミリでないと具合が悪い事が判明しました(80ミリを82ミリに・・・)

 
 台座の材料はホームセンターで買ってきた 2×200×300ミリの A1050アルミ板です。これを 60×200ミリに切ります。切り方はこれ又色々な方法がありますが、今回は折り曲げがメインなので飛びます。


まずは矢印の所を曲げます。

 
標準的なコの字曲げ。

 全部曲げてしまうとあとの加工が難しくなるので先に済ませます。キリサキがスライドする部分に4ミリの真鍮パイプを使います。上下とも「はめ殺し」しています。

 キリの部分は3ミリの真鍮パイプに2ミリのキリサキを入れ、6ミリボルトで作った方ボスにホーローセットで止めてます。ボルトは2ミリのアルミ板にリベット式止め、供回り防止にセンターポンチでカシメています。バランスウエイトはナットに木片を叩き込み、3ミリのビスで固定、ハンドルはプリント基板用スペーサーを使っています。今回は曲げが主体なので、ほかの部分は全ていい加減です。

 
 さて、問題の部分です。正確な位置で曲げるため定規をクランプして曲げ位置を正確に合わせます。今回は「バックゲージ」は使いませんでした。
 90度まで曲げると次の曲げに支障が出ます。金属板は一度曲がり始めると余り力をかけなくても曲がる性質があります(特にアルミの場合)しかし始めて曲がり始めるときはそれなりの力が必要です。パンチ(押し下げ刃)には大きな力がかかります。オーバーハング曲げに使用する刃はあまり丈夫に作れません、そこでこのぐらいの角度まで「予備曲げ」をしておきます。

  
 オーバーハングがどのくらいか図面で確認します。今回の場合は大体40ミリからぶつかり始め、中空部分は少なくとも80ミリは必要な事がわかりました。

 中空刃には地震対策用フラットバー(3×40×300ミリ)を使うことにしました。サンダーで適当に「片刃っぽく」削ります。相手は予備曲げですでに半分ほど曲がっていますからいい加減でOKです。

 
パンチアームにパンチを逆さまにセットして平鉄小片を使って先ほどの片刃をセットします。
(パンチには4ミリの穴が空いてます)。

 
あとは簡単、90度になるまで曲げます。中空部分を板が通過しています。


一応曲げ加工終わり。

  
 なんだかえらく長々と書きましたが1時間もかかっていません、ホームページに書き込む方が時間がかかっています。

 鉛筆とか角材とか木の実の穴空け等に小学校低学年の児童や幼稚園児・保育園児にも安全に使わせられる物が出来たと思います。又キリサキも3分の2ぐらい真鍮パイプに入っていますからまず折れなでしょう、これで工作好きな子供に育てましょう。


ベンダーブラック30を使いこなす。