林メカトロ工作支援室
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【ラダーチェーンスプロケットを簡単に作りたい】 2005.10.22 前編 ![]() |
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ラダーチェーンスプロケットは市販されていて、材質は真鍮製と樹脂製です。歯数は
3ヶ月前からこのスプロケットを自作出来ないかと色々やってきました。「歯車切削盤」もその一つです。しかしもっと簡単に出来ないか・椅子にふんぞり返って出来ないか、考えました。そこで一つの結論に達しました。(これは色々なやり方があるのですが、私なりに手抜き製作・・・と言うことで) 2005.10.23 ちょっと訂正します。市販のラダーチェーンスプロケットですが、手に入るのは 10 11 12 13 14 15 16 18 20 22 24 26 28 30 と、30Tが最高だそうで、抜けている寸法は製造していないそうです。(特注なら 8Tは特殊ボスならあるそうです) |
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まず型というか「見本」が必要です。今回この 16Tの物を見本とします。私の経験では、まず「歯の谷と谷の寸法」が大事です。(相対・直径)ノギスで測ったところ「 23.6ミリ」と出ました。それから山と山の直径は「 27.0ミリ」でした、この二つの寸法はとても大事です。 |
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そこで「治具」を作ります。 23.6ミリの円盤を2枚、 27.0ミリの円盤を1枚作ります。私はホールソーで少し大きめな円盤(鉄)を作り、ドリルとサンダーで10分ほどゆっくり切削して作りました。それほど慎重に正確に作ります。(旋盤なら簡単ですけど) 2005.10.23記 27.0ミリの円盤はなくても良いことが分かりました。(見本のスプロケットをかわりに使う) |
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中心の穴をあけ・適当に切って・ 27ミリの円盤と一緒に固定し・縁を1から2ミリほど残して切り取り、回し切りで円盤の縁にそって切り落とします。これで外周は見本と同一寸法になりました。 |
![]() 見本と一緒にネジ止めします。全ネジではなくこのような半ネジを使います。理由は後述。 (このようにいきなり切り出してもOKです)2005.10.23加筆 ![]() ![]() |
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次に「竹槍カット式」のボール盤パンチャーを作ります。今回は特に「竹槍カット」でなくてはなりません、これ又後述、スミマセン つづく・・・です。 |
半ネジについて。 ビスでもボルトでもそうですが、ネジの部分は公称寸法より細いのが普通です。どのぐらい細いかはそのネジ山のランクによります。回転物体をこのネジ部分に固定すると(ナット−ナットなどで)微妙に「芯」がずれます。いい加減なネジだと目で見て分かるほどです。これをなんとか防ぐには「ネジ山の部分を使わない」ということですが、ホビーとしてはそうも行かないので私は「ネジの切ってない部分」を出来るだけ使います。それがボルトの「半ネジタイプ」のネジが切ってない部分と言うわけです。 キャップスクリュータイプだと結構芯がでていますが、普通の鉄製だとそれでもかなりずれます。ま、回転体をはめ込む芯は「旋盤加工」が当たり前・・・というつまんない結論になってしまうんですが。 もう一つの解決法は、「ボルトに止めてからドリルなどにセットして修正する」という方法です。プーリー等の場合に有効です。でも、輪ゴムなんかかけるんだったらちょっとぐらいずれても関係ないか。 |
【ラダーチェーンスプロケットを簡単に作りたい】 2005.10.23 後編 |
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竹槍カットのボール盤パンチャーを作ります。寸法は 2.5ミリと 2.0ミリです。(2.5ミリから 3.0ミリぐらいと 2.0ミリ)ボール盤バイスに 10ミリぐらいのナットをしっかりくわえ、穴をあけます。次にあけたキリサキの根本の方を「竹槍カット」にし、ボール盤に逆さまに取り付けます。 |
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ボール盤をパンチャーのように使います。型のスプロケットの歯と歯の間に竹槍カットの丸みをおびた部分の先端をピッタリ押しつけ、打ち抜きます。半月なので「スコスコ」抜けます。あまり力はいらないので「精密小型ボール盤」でも大丈夫です。(竹槍カットでないと滑ります) 次に 2.0ミリに差し替えてまだ少し残っている「谷」の部分を抜きます。これはもっと力がいりません。 |
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左が抜き終わったところです。次に分解し、前に作った 23.6ミリの円盤でサンドイッチにします。右のように少し長いボルトの中央あたりに固定するとヤスリ作業がやりやすくなります。(なにげに工作ベース300を使ったりして) |
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「谷」の深さが一番重要です。あて円盤をあまり削らないように金ノコの刃などで軽く削ります。次に半丸ヤスリ等で歯の山を整形します。「谷」の深ささえきちんとすれば「山の形」など結構いい加減でも問題ないようです。(チェーンが山にいっぱいかかるようになるから、ここが平歯車より良いところ・手抜きね) |
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出来上がり、オモチャの無限軌道なんてどうでしょうか、ところで1ミリ厚のアルミ板で作りましたが「目的」があります。それは「スプロケットを2枚重ねて」ラダーチェーンをかけたかったのです。これを利用した工作はまたのちほど。 ところで「ボール盤パンチャー」など使わないでもっと簡単に打ち抜く方法をついでにUPします。それは「3ミリのポチッとなペンチ」をつかうやり方です。この方法だったら椅子にふんぞり返ってでも作れちゃいます。スピードも速く、1枚作るのに3分とかかりません。(板の切り出しからヤスリ掛けまで) |
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1ミリのアルミ板だし、半月にしか打ち抜きませんので「ポチッとなヤットコ」でも可能です。これで一番重要な「相対谷−谷」間の寸法の円盤を2枚作っておけば、いつでも簡単にラダーチェーンスプロケットが製作出来ます。(1ミリのアルミ板で・だけど) |