丸棒のセンターに穴をあけ、タップでネジを切る。
 電気ドリルだけでなんとか。


林メカトロ工作支援室
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 丸棒のセンターに穴をあけるには「センタードリル」が必要ですが、それと同時に「旋盤」も必要です。これでは話しになりません、ところで旋盤でセンタードリルを使うとき、当たり前ですが「センターポンチ」は使いません、これはなぜかと言いますと「旋盤自体がキリサキを丸棒のセンターに固定する」からです。(当たり前ですが+求心力?も働きます)ということは「固定すれば良い」となる訳です。

 そこで、その固定するのに真鍮パイプを使うことにしました。一応先導穴に3ミリ、タップは 6*1.0ミリを使うので下穴に5ミリと2種類のキリサキを固定する治具を作ります。(タップの下穴5ミリの件は後述)

  

 ホームセンターで、4ミリ 5ミリ 6ミリ 7ミリ 8ミリ 9ミリ 10ミリと7種類の真鍮パイプを買ってきました。これらは厚さ 0.5ミリぐらいなので丁度「入れ子」になると思ったからです。でもやっぱりそのままでは無理でした、写真中央のように少し表面を削る必要がありました。しかし表面の錆びを落とすぐらいでOKです。最終的に内径が3ミリと5ミリになるように作りました。長さは 20ミリです。 


こんな感じです。少しきつめにキリサキが動きます。

  

 次に受け台とシャフト(丸棒)の案内です。出来るだけ硬い木が良いです。コの字型になるように組み立てます。切り子が排出しやすいようにです。しょっちゅうひっくり返して掃除するなら木のブロックでも良いです。

 
子の字の隙間に「当て」を入れ、10ミリの木工錐で2個所貫通穴をあけます。
(バリとか防ぐため)


完成。

 真鍮パイプの集合体を挿入し、横っ腹からネジ止めします。ここでは 2.5ミリの穴をあけ、3ミリのビスを無理矢理タップも立てずにねじ込んでいます。(木だし)

 

 使い方。
 まず3ミリのキリサキをコの字の中に5ミリほど出っ張らせ、クランププライヤーで押さえて、残りのキリサキ部分を万力にくわえます。ドリルチャック側に10ミリの丸棒をくわえ、油をたっぷりつけてから穴に突っ込み回転させます。キリサキの出っ張り具合を調整しながら目的の深さになるまで穴あけします。(つまりこれでセンターに穴があくはず)


3ミリがあいたら次に5ミリで同じく穴あけします。

  

 こうなります。後はタップを立てるだけです。万力に挟むと写真撮りづらいので横で撮ってます。ところでタップの下穴が5ミリでは往生します。タップを立てる前に 5.4ミリぐらいに穴を広げるか、(ネジの引っかかり50%程度)タップの「荒・中・仕上げ」と三段階でゆっくりタップ立てをする必要があります。

 5.4ミリなんかで 6*1.0ミリタップなんて・・・プロにいわせると「バカじゃねぇの」なんて言われそうですが、ボルトの方を「キャップスクリューボルト」にすればホビー的には何の問題もありません。(人命がかかっている訳じゃなし)

 

 さて、最後に一番重要な加工があります。それは「コバ」の処理です。ツラ面が軸方向に対して直角になっていないと「スライド軸」の意味をなしません、そこで電気ドリルにシャフト(丸棒から出世した)をくわえ、回転させながらサンダーで側面切削します。当然丸まったりコマみたいになっては困ります。「直角にするゾー」という気構えでやります。なに以外と簡単です。(旋盤ならどぅってことないんですけどネー)


 余談ですが、キリサキは使用していない新品か「コバルトキリサキ」が良いです。10ミリのステンレス丸棒でやりましたが、ステンレスが始めての方は多分無理だと思います。今回の目的工作では真鍮丸棒で十分な強度が得られると思われますのでそちらがお勧めです。

 あっ 10ミリの真鍮パイプに長ネジで良いのでは?、 くーーーっ 無駄な1時間を費やしてしまったぁ。(>_<)
2005.7.14





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